● まえがき
私は昭和34年3月に金沢大学薬学部を卒業した。その同窓生の会の名称が「ゼレン会」である。この命名に当たっては、私は卒業時にかなり重度の胃潰瘍で入院していて参画できなかったが、経緯は卒業年を原子番号34にあやかっての命名と聴いている。元素記号はSeで、日本名はセレン、英名は Selenium 、ドイツ名はSelen で、命名はドイツ名の日本式ドイツ語読みによる(ドイツ語ではゼレーンと発音)。あの頃は薬学の分野ではまだドイツ語が幅を利かしていたものだ。ところで昨年(2010)は9月に同窓会があったが、その折幹事から同窓生各位に近況報告をと頼まれしたためたものを、「晋亮の呟き」に再録する。因みに今年(2011)は5月に宮城県で開催予定だったが、3月に未曾有の東日本大震災があり、中止になった。ゼレン会はこのところ毎年開催している。
● 近況報告
(1) 健 康
私は現在石川県予防医学協会という健診機関に勤務していることもあって、年に2回の健康診断を受けている。直近の検査は7月末、指摘があったのは、糖代謝と脂質代謝、前者は HbA1c が 6.2、後者は LDLコレステロールがやや高めである。糖尿病については薬物療法を行なっているが、それだけでは数字の改善は望めず、加えて食事療法と運動療法を行なっている。もっとも食事は完全な糖尿病食ではなく、心掛けているという程度。運動は毎朝6km1時間のウォーキングを行なっているが、これは皮下脂肪減少や糖代謝促進に対して若干の効果があるようだ。ただこれには筋トレ効果はない。
ほかにはペースメーカーを装着しているので、年に2回の健康診断と機器チェックがある。また消化器がん予防のため、年に1回、食道・胃・大腸の内視鏡検査を受けている。常用薬としては、糖尿病用薬、高脂血症用薬、緩下剤、消化性潰瘍治療薬、降圧薬を服用している。
飲酒は医師の指導もあり、1日酒換算4合から2合に減量、また酒は自主的に糖分の少ない蒸留酒をメインにしているが、どんな酒にでもそれぞれの個性があることから、酒の種類による好き嫌いは一切ない。健診の勧告では、酒は1日1合、週に2日の休肝日をというが、それは無理というか不可能な相談だ。ただ入院中の禁酒は厳守している。
(2)白 山
白山では絶滅したと思われていた雷鳥が、昨年(2008)の6月に雌1羽だけであるが、生息していることが確認された。その後昨年には越冬したことが確認されたものの、今年は8月まで未確認だったが、9月になって漸く居ることが確認され、これで2度越冬したことになる。昨年採取された抜け落ちた羽のDNA鑑定では、北アルプスにいるコロニーと同じであることが確認されている。北アルプスから来たとすれば、どうして来たのだろうか。
白山にコマクサは自生していないが、10年前に植生した人がいて、新聞でも紹介されたことがある。新聞紹介の場所は御前峰の北側だが、そこは私はまだ確認していない。3カ所位あるらしいが、私が毎年眺めに出かけているのは、大汝峰の頂上西方の礫地、成育場所としては申し分ない環境だが、そんなに増えているわけではない。ただ実生は育っている。日本のある町では、勝手に植生した駒草を除去したと報じられていたが、ここは国立公園なので、引っこ抜いて除去することはできない。私としてはこれからも見守っていきたい。
国立公園内でも、除去が歓迎されている植物がある。それはオオバコとスズメノカタビラである。道路周辺に多いということは、登山者の靴に付着して侵入してきたもので、毎年ボランティアを募り駆除している。でもその除去区域は山小屋周辺に限られている。中でも特に深刻なのはオオバコで、南竜周辺は以前はハクサンオオバコの群生地だったが、今は2つの種の中間雑種が跋扈していて、のっぴきならない事態になっている。
(3)そ ば
学生の頃も「そば」は好きだったが、当時の金沢には自家製のそば(そこは機械打ち)を出す店は1軒のみしかなかった。石川県自体が「うどん圏」だったからでもある。当時は東京23区内でも、蕎麦屋は百数十軒位ではなかったろうか。学生の頃は山に夢中だったから蕎麦まで気が回らなかったが、石川県に奉職してからというもの、出張時には、地図を片手に都内の蕎麦屋をほっつき歩いたものだ。でも今はそばブーム、東京には少なくとも3千軒以上の蕎麦屋があるだろう。私の師匠も「そば」が好きになり、それこそ全国の蕎麦屋巡りをした。高じて十数年前に金沢で「探蕎会」なるそば同好会を立ち上げ、会員は全国津々浦々へ出かけている。会でもツアーを組み、これまで北海道、四国、九州を除く各地に出かけ、単に「そば」を食うばかりでなく、その地の文化に接し、その地の酒を愛で、いわゆる「探蕎」を続けている。もし興味ある方は「探蕎会」で検索してみて下さい。
2011年8月19日金曜日
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