2011年8月4日木曜日

蕎麦屋情報一筆:「喬屋」(金沢市俵町)


 表記表題の初出は「探蕎」会報第31号(平成17年10月28日)の蕎麦屋情報一筆で、訪ねたのは平成17年(2005)7月16日である。  「晋亮の呟き」に再録する。

 「喬屋」の名を初めて聞いたのは、6月半ばにあった探蕎会の西国への小旅行の時だったろうか。以来少々気になっていた。さて、前田書店のホームページに、局長は根気よく「日めくり日記」なるものを書き記しているが、その6月17日付けの日記に、ようやく喬屋を尋ね訪ね、これが初見とあると。しかし、そこで何ともう3回目とかの石野さんに出会ったとか。あの料理教室主宰の先生が、懲りもせずに出かけているとあっては、いやが上にも行きたくなるというのが人情。そしてその後、前田局長も何度か足を向けた由。そして私に曰く、分かり難いから、行くなら、わしが案内すると。
 機は熟した7月の頭、行きたいのだがと誘ったが、あそこのは柔らかいから、今日のところは「敬蔵」でと、何故かその時は軽くいなされた。それじゃ啼くまで待とう。それから半月経ち、薮入りの16日の土曜日、今日はどうかと電話すると、即色好い返事が返ってきた。11時に前田書店へ、そして喬屋へ案内してもらう。
 田上から昔通い慣れた医王山への道を俵へ、戸室山界隈には唯一と言う有名な信号のある交差点の手前を右に折れる。そしてその道をやや進み、用水の手前を右に曲がると、小さな「喬屋」という看板があり、そこをまた右へ、これでは初見じゃ大変だ。前田局長の言が嘘偽りでないことが判明する。漸く辿り着けた。周りは水田、家はまばら、独りで初めてじゃ、確実に途方に暮れるだろう。
 玄関を入る。デッカイ家だ。30人は優に入ろう。主人が出て来られ、一番奥へと。座してお茶を頂く。早速に「ざる」を所望する。ややあって届く。ソバは先ずまずの出来。腰もあり、喉越しも良く、仄かな香りもする。小さなホシが点々。ただ量は少なめだ。つゆは中庸か。次にもう1枚「おろし」をお願いする。ソバは同じ、おろしは大根のみ、やや多め、辛くはない。局長曰く、今日のは良いと。そして、小生の風体を観て、気を入れたのではないかとも。
 訪れた時は、他に客はなく、主人の藤田喬さんの話を聴く。開店は4月15日、そば打ちは「唐変木」、究めは「多門」とか。特に宣伝することはなく、奥方の口コミのみ。蕎麦は越前大野産、石臼手挽きで、二八で1日25食のみ、追い打ちはせず、売り切れ御免の由。
 建物の総欅造りの館は建築時一億円とも、住人は年寄り婆さん独りとなり、比較的安く買い受けたとか。でも買主の当主はここではなく、金沢市南郊の額にお住まいとか。探しあぐねた物件だったとも。今秋10月末に、探蕎会の蕎麦花茶会を此処ですることになっているが、十分ゆったりのスペースだ。

 住所は金沢市俵町ヨ67。 営業日は金曜~月曜と祝祭日。 営業時間は午前11時30分から。

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