2011年7月8日金曜日

探蕎会有志「はざま」でワインを飲むの記

 表記標題の初出は「探蕎」会報第8号(平成12年10月14日発行)で、行事があったのは平成12年9月29日である。 「晋亮の呟き」に転載する。

 9月28日午後、探蕎会事務局の前田局長から電話。若手でのワインの会を午後7時に開くと、エエッいつですか、明日です、場所は何処ですか、「はざま」、平仮名です、何処に在るのですか、中署と北電の間を入って行くと左にあります、会費は幾らですか、料理5千円、ワイン5千円です、分かりました、じゃ行きます。日と場所は連絡済の筈とか、全く記憶にない、そう言えば、草庵での月見の宴で一寸小耳にはさんだ気もするが。
 翌29日、愚妻からは小立野行きのバスに乗車して、県庁前で下車するよう指示されたのだが、目前で乗り遅れ、次便の金沢駅行きに乗る。片町で下車、近道をと竪町へ進入、この方向とばかり歩くがここは迷路、しかも足元暗く、気は焦るが、どの辺りかも見当がつかず、苦悶する。アンテナが見え、苦闘四半刻後、漸く観光会館に達する。裏道を中署の裏から件の通りを見渡すが見当たらない。通りの左側と聞いたはず、と、通りの右奥まった処にボンヤリ明かりが見えるではないか、どうやら「はざま」に着いた。
 来店の趣旨を伝えると、どうぞと、貸切りと聞いたのに客がいる?。と、こちらへと、店を通り過ぎ、裏勝手を抜け、洋風の建物に案内された。居た、面々が居る、でも若手の会と聞いていたのに、そうは称し得ないと思しき御方も見えるではないか、でもまあいいか。会費をと促される、シンガリであった。
 主宰の永坂先生と米田お嬢、時計回りに、砂川妻君、小塩、石野、前田、太田、松田、木村、砂川夫君の順に着席、資料に基ずく講釈が始まる。本日のワインリストを見ると、シャンパン以外はボルドーで揃えましたとある、驚いたり感激したり。配布の「私とワイン」というエッセイは、御仁がカリフォルニアとボルドーには滅法煩いことを物語っている。そう言えば、先生の事務所で、飲み干された戦利品のコルク栓が、ザクザクあったのを想い出した。今夜の講釈での垂涎の的と言えば、ソムリエをやっつける?方法か、ソムリエだけがオールマイティーではないと、だが一回の受講で身につくとは思えず、数回の指導が必要か。ほかにも、親切な手頃なワインの買い方見分け方、場に合ったワインの選び方等、何とも、痒い所に手が届くとはこのことか、感じ入る。
 開宴、メニューは別記のとおり、頂いたのは邦書であったが、折角なので仏蘭西語に直した。邦書は注書きにした。ワインは別記リストのよう、始めに若手の長老小塩氏の発声、シャンパンで乾杯、白に岩の原ワインが追加され、オードブルも出てきた。そして待望の赤、若手中の若手の前田局長が、持参のソムリエナイフで格好良く、らしき振る舞いで目を惹く。4本が揃う、ここで酸化の間を見計らい、また一講釈。
 一々グラスを替え、味わう。どれも美味、中でもメドック第二級の1987年の赤は、落ち着いた枯れた味、チーズが出て、パンも出て、局長はこれだけでも充分とか、小生も同感する。料理はやや過多?、それともこの面々数では、酒量がやや不足?か、でも久し振りに堪能した。快哉。惜しむらくは、雰囲気に合ったグラスが、持参してはとも、これは今後の懸案だ。ワイワイ、ガヤガヤ、時に講釈あり、2時間はあっという間、瞬時の間に3時間が経過、料理が若干残る。お開き少し前に、局長の妻子が見えられる、あの赤は飲まれたのだろうか、奥方に残した筈なのに、それとも、うわ蛇(ばみ)がいたか、定かではない。今宵の受講で、瓶底の形状、コルク栓の長さ、と中身の質、これらに深い関係があると知ったのは、収穫であった。
 散会後、厚かましくも、局長の奥方に自宅へ届けて貰う。忝い。愚妻は麦酒を御飲みで御座った、「飲み過ぎには気を付けてね」と。
 閑話休題
 会がお開きになってから、局長から今夜の印象記をと、番外だから止めましょうと小生、ところが会長、副会長、御承認の集いですぞと、他の面々もいるのに、でも送り届けられる弱みもあって、引き受けて了った。阿々。

 以下に Vin Liste と Menu を記す。本来なら全部横文字で書きたかったが、アクサン記号が出ないので、読みをカナで記した。 [ ]内数字はビンテージのランク、20点満点。

● ヴァン・リスト
1.ランソン・ブラック・ラベル・ブリュット(シャンパーニュ)
2.シャトー・タルボ・カイロウ・ブラン 1997 [17](サン・ジュリアン・メドック・ボルドー)
3.シャトー・マイーヌーギュイヨン 1995 [19](プレミエール・コートゥ・ドゥ・ブライェ・ボルドー)
4.シャトー・ラグランジュ レ・フィエフ・ドゥ・ラグランジュ 1994 [17](サンジュリアン・メドック)
5.シャトー・ラグランジュ 1996 [19](サン・ジュリアン・メドック・ボルドー)
6.シャトー・レオヴィーユ・ポアフェレ 1987 [14](サン・ジュリアン・メドック・ボルドー)
7.イワノハラ・ワイン(イワノハラ・ナガノ)

● ムニュ
1.オルドゥーヴル
  ムース・ドゥ・ポアヴロン マリネ・ドゥ・ポアソン・カワハギ フィーグ・ブラーンシュ・フリット
2.フロマージュ・ア・クルート・フルーリ・エタ・パート・ペルスイェ・ア・ラ・メゾン
3.パストゥラミーポール
4.カナール・コンフィ
5.ポタージュ・オ・シャンピニョン・シイタケ
6.グラタン・ドゥ・コンクイーユ・サンージャック・ア・ラ・ジャポネ
7.バール・ポアレ・オ・シャンピニョン・ブローンド・オ・バズィリック
8.スィヴェ・ドゥ・ラパン
9.コンポート・ドゥ・ポアーレ・オ・ヴァン・ルージュ
10.パン・エ・ブール 

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