2013年9月27日金曜日

白川義員の「永遠の日本」に見る日本の原風景〔12〕

(承前)
8−5 富士箱根伊豆国立公園/伊豆諸島・伊豆半島
  (24)大島三原山:東京都大島町にある伊豆諸島最大の島で、中央に海抜 758m の三原山火山がある。大火口は直径 300~350m、深さ 200m、火口上部から空撮した。(25)鵜渡根島:東京都新島村にあり、伊豆諸島では本州から3番目に近い島である。東西 1.5km、南北 600m、標高 210m の無人島である。(26)石廊崎の日の出:伊豆半島南端の石廊崎の有名な「蓑掛岩」に掛かる日の出の太陽を撮った。この位置に太陽が出る月日や日の出の時間や撮影位置を計算しての撮影だった。(27)城ヶ島曙光:静岡県伊東市の東南に位置する。4000年昔に大室山の噴火により溶岩が海に押出して出来た断崖絶壁が、波浪に浸食されて今日の特異な景観が造られた。太陽が出ている所が伊豆大島である。(29)城ヶ崎荒天:門脇崎の近くから早朝に撮った対岸の岬に叩き付ける波である。波浪が長い年月打ち寄せれば溶岩が浸食され、今日の奇岩の集合になるのは容易に想像できる。(28)田子の夕陽:静岡県西伊豆町の大田子海岸から見る田子の落日である。手前の岩が海獣岩、左遠くの2個の岩が田子岩、春分と秋分の日にはこの島の中央に太陽が沈むことで有名である。(30)堂ヶ島夕景:静岡県西伊豆町の有名な観光地の堂ヶ島。駿河湾に沈む夕陽が美しいことから「夕陽のまち」と言われる。撮影は12月中旬。中央が稗三升島、右が蛇島。

8−6 小笠原国立公園/小笠原諸島
 小笠原諸島:小笠原諸島は東京の南南東 1000km の洋上に 30 余の島々からなっている。父島、母島、硫黄島、南鳥島以外は無人島で、一般住民が住んでいるのは父島と母島だけである。小笠原諸島は、父島列島の北に聟島列島、南に母島列島がある。(31)父島南島扇池:父島列島は、北から弟島、兄島、父島で、その父島の南西端に南島がある。その南島の扇池は小笠原で最も有名な景勝地の一つである。(32)父島千尋岩:父島の南端に円縁湾があり、その湾内にこの「千尋岩」別名ハートロックがある。この岩だけが赤くてハート形をしている。(33)父島三日月山からの落日:父島の二見港のすぐ北側にあるのが三日月山、気象ドームや海上保安庁の無線塔があって、眺めは抜群である。落日を眺めるのには最高の場所である。(34)父島列島中通島:兄島と父島の間の兄島瀬戸に浮かぶのが中通島である。この島は左右対称の岩がお互いくっつき合っているように見えて面白い。それより鮮やかな海の青さが素晴らしい。(37)父島長崎の岩峰:父島の二見港から旭山に向って登ると長崎展望台がある。そこから見た長崎という岬の岩峰で、個々の岩峰が花弁で、全体として咲いた花のように見える。(35)母島列島鬼岩:この鬼岩は母島の北端の乾崎の北側にある。見るからに嫌悪で獰猛な表情をしているのが実に面白い。(36)聟島列島針之岩:聟島と媒(なこうど)島の間に南北に横たわる針之岩という岩礁があり、岩峰が数十本続いている。

8−7 瀬戸内海国立公園/新舞子浜・瀬戸内海・寒霞渓
 新舞子浜:兵庫県たつの市御津町黒崎にあり、恐らく日本で最も遠浅の干潟が広がる場所でないかと思う。干潮時には潮が 500m も引いて広大な干潟が現れる。(38)新舞子浜夜明け:引いた干潟の水の部分を赤く撮ろうとするには、先ず東の空が赤くなること、しかも太陽が画面の上に来ること、この条件が満たされるのは冬至の頃である。しかも日の出前後に最も潮が引く日を調べ、これらの条件が満たされないと目的の写真は撮れない。2009年でこれが満たされた日は、12月19,20日だった。(39)新舞子浜黄金色:日の出の太陽は真っ赤で、4〜5分でオレンジ色になる。次は黄色になるが、オレンジ色から黄色に変わる 15秒間位の間、太陽光は黄金色になり水に反射する。(40)新舞子浜夕陽:新舞子浜は夕陽が有名である。日没後の風景も素晴らしい。(41)新舞子浜薄明:早朝の新舞子浜を撮影する崖の上から、播磨灘の海岸線を俯瞰撮影した。赤くなった東の空の色彩が海に投影されて面白い情景になった。
 瀬戸内海:瀬戸内海は愛媛、広島を中心に、西は大分、東は大阪・和歌山まで 11 の府県に海岸線を持つ東西 450km、南北 15~55km の広大な地域を擁していて、その中に大小合わせて 3000 の島がある。もちろん国立公園としても最大の面積を誇る。(42)釣島海峡:セスナで撮影しての帰り、松山空港に着陸寸前に釣島海峡を落日を入れて撮った。手前の島が睦月島、画面中央が中島、その左に高島、右の怒和島、ここまでが愛媛県、左上の情島は山口県になる。(43)荘内半島の島々:高松空港でセスナをチャーターし半島の島々を撮った。手前が志々島、その上が粟島、左上に延びているのが紫雲出山がある荘内半島の突端である。(44)芸予諸島:芸とは安芸国広島県であり、予とは伊予国愛媛県である。夕陽に向かい、下から肥島、大下島、見附島、ここまでが伊予、その先の三角島と上蒲刈島は安芸である。(45)塩飽諸島:瀬戸大橋の上空から夕陽に向かって撮った。手前が本島、中央が広島、その先右に手島、ここまで香川県、その先左右に茂床島と大島、更に北木島で岡山県。(46)大三島から広島へ:落日の大三島上空から西望。手前の黒いのが大三島、その上小さい三角が来島、ここまで愛媛県、中央の大きな島が大崎上島、その先小さいのが来島で広島県、その先は本州の大地である。(47)銭壺山朝陽:山口県岩国市にある標高 540m の頂上が平らな山で、車で行くことができる。瀬戸内海の島々を望める展望所として有名。桜花の下、眼下に前島と福島を見る。(48)紫雲出山の眺望:荘内半島突端近くにあり、山名の由来は、浦島太郎が竜宮城から持ち帰った玉手箱を開けた時に出た紫色の煙がこの山にかかったという伝説に基づいている。桜の名所、桜花の下、東を望む。下に粟島が見える。(49)竜王山の桜:広島県三原市にある竜王山の頂上から南望した。桜は満開、正面下に佐木島。(50)父母ヶ島:香川県三豊市にあるこの浜は夕陽が美しいことで有名である。特に大潮の際の干潟が逆光に映えるのが最高で、この日は干潟が黄金色に輝いて見事だった。
 寒霞渓:小豆島は映画「二十四の瞳」で一躍有名になった瀬戸内海では第二の大きさの島である。この島の中心部に、最高峰星ヶ城山 817m と四方指山との鞍部に、奇岩が累々の寒霞渓の渓谷がある。その中心的展望台が「四望頂」である。(51)播磨灘の夜明け:香川県の小豆島にある寒霞渓の四望頂から撮影した播磨灘の夜明けである。撮影したのは11月下旬、太陽は雲間を辿るように上昇していったが、空と海の明暗のバランスが一分の隙もなく絶妙であった。水平線の向こうには瀬戸内海最大の島淡路島がある。(52)猪谷池の紅葉:寒霞渓は東西 7km、南北 4km の範囲で、その南端に猪谷池がある。この池は8代将軍吉宗の治世に造られたもので、灌漑や水道水源として使われた。ここの紅葉は実に見事というほかない。(53)寒霞渓紅葉:温暖で知られる瀬戸内海の島でこれほどの紅葉が見られるというのは意外である。ロープウェイの上部駅の近くから撮った。(54)奇岩と紅葉:11月下旬に寒霞渓の西端にある奇岩と紅葉をスカイラインから撮った。この年の日本での最後の紅葉だろう。(55)寒霞渓曙光:この写真も四望頂展望台から撮った。今度は空が真っ赤になった。(56)寒霞渓暮色:これも四望頂展望台から撮った落日である。太陽の下は備讃瀬戸だから、右は豊島や小豊島、左は男木島や女木島だろう。
(56)(57)鳴門の渦潮:徳島県鳴門市と兵庫県南あわじ市の間にあるのが鳴門海峡、海峡の幅は 1.3km、ここへ1日2回潮流が時速 13~15km で瀬戸内海に流れ込み、また2回流れ出す。大潮時には時速 20km、日本最速の潮流で、世界三大潮流の一つである。渦の大きさも直径 30m、世界最大級である。

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