2013年12月21日土曜日

とある会の旅行にまつわることども(その4)

7. 今宵の宿の福地温泉・湯元長座へ
 これで昼間の行事は終わり、今宵の宿の福地温泉・湯元長座へ向かう。国道 158 号線は、山間の S 字状のカーブを何回も回りながら標高を上げる。以前朴の木平スキー場へ来ていた頃は、平湯温泉から平湯峠 (1684m) を越えて行ったものだが、今は峠の下に平湯トンネルが出来て、簡単に平湯温泉へ抜けられる。それでも標高は 1500m はあろうか。トンネルを抜けて下りになり、福地温泉へは平湯温泉へは行かずに、平湯バイパス (国道 471 号線) を通って行く。今宵の宿の湯元長座は、南北に長く点在する温泉宿の一番下手の北側に位置する。車は南側の上手から入った。福地温泉は標高 1000m にある12 軒のこじんまりした温泉、道を北上し湯元長座に着いた。広い駐車場に車を停め、屋根付きの通路を辿って母屋へ、この温泉では最も大きいという。建物は築 130 年の飛騨造りと呼ばれる庄屋屋敷を移築したものとか、豪壮で重厚な感じがする。聞けばこの温泉の建物は、ほとんど古民家を解体移築したものだという。入ると大きな囲炉裏があり、熊や羚羊の毛皮が敷きつめられ、囲炉裏には薪が焼べられている。黒光りした太い梁や柱や鴨居、時間が百年タイムスリップしたようだ。暫しロビーで寛ぐ。ここは日本秘湯を守る会の会員宿でもある。
 3階の部屋へ案内される。女性5人、男性4人、2部屋があてがわれる。それで指定された通りの部屋で旅装を解いて、浴衣に着替えた段階で、男性の部屋が大きく、女性の部屋が小さいのに気付く。さらに決定的になったのは、男性の部屋には大きな鏡台があるのに、女性の部屋には姿見もないことが判明、そこで総入替え、着替えていたから、一切合切持っての相互の大移動、大変だった.忘れ物はないか、確認だけでも大変だが、この際慌てての未確認があって、後でとんでもないハプニングが起きることになる。
 漸く一段落して、一旦は一件落着。こんな大移動は初体験だ。暫し休憩してから風呂へ。この湯元長座の泉質は単純温泉 (源泉温度 46 ℃) とナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉 (源泉温度 90℃) で、湯量は合わせて毎分 550 ℓ、加温・加水はなく、源泉かけ流しである。内湯も良かったが、それに続く露天風呂は更に素晴らしく、木々に囲まれて広くてゆったりした感じだ。湯は柔らかく、湯温も程々の熱さ、お湯は滔々と流れていて、これぞ本当の温泉という感じ、ゆっくりと温まった。

8. 湯上がりにビールを飲みながら、テレビで大相撲中継を観戦する
 湯から上がって、男性3人は当然といえば当然、湯上がりのビール、部屋からフロントへ電話すると、部屋まで持ってきて貰えるとのことで、早速注文。生大はないとかで、生中を3杯、ほどなく届く。でも私は食前にインシュリンの注射をしなければならず、これまで一度も自分一人でしたことがなかったので、家内に介添えを頼んであり、その時間が5時 30分、私はそれまで待つことに。私は取りあえず「皆さんどうぞ私に遠慮なさらずに」と言ったが、もとより外交辞令、それで遠慮する面々ではない。そして 17:30、家内に手伝ってもらい、インシュリン 16 uを腹部へ注射、これで OK。時間が過ぎたこともあり、私は遠慮して生中でなく生小にして、囲炉裏縁の皆の輪に入った。
 折しもテレビは丁度大相撲14日目の結び前、大関稀勢の里と横綱白鵬との大一番、稀勢の里は昨日は横綱日馬富士を破って2敗のまま、今日は二人目の横綱白鵬との取組み、見ていると二人は蹲踞に入らずに立っての睨み合いが二度も続いた。こんな状況は久しく見たことがない。もちろん今場所でも初めてのことじゃなかろうか。皆はビールを飲むのも忘れ、テレビに食い入るように見ている。行司の軍配が返った。稀勢の里は素早く右上手を取り、寄る。白鵬は後手に回る。両者土俵際で投げの打ち合いとなるが、稀勢の里の上手投げが白鵬の下手投げに勝り、稀勢の里が勝ちを制した。4人とも興奮し、大歓声と大拍手。互いに肩を叩き合い、ジョッキでゴツンと乾杯、こんな光景は初めてだ。これは我々日本人が日本人横綱の出現を待望していることの証だ。ひとしきりの興奮の後、今度は日馬富士に今日と明日は勝ってほしいと願う。結びは日馬富士が大関鶴竜に勝った。そして千秋楽の横綱決戦では、日馬富士が白鵬を破ってほしいというのが4人の総意、これまでこんなに興奮したことがあろうか。ビールを飲み干したところで、夕食の案内。2階の囲炉裏の間に下りる。

0 件のコメント:

コメントを投稿