2013年4月5日金曜日

三度目の満山荘(一日目)

 日本秘湯を守る会と朝日旅行がタイアップして、会に加入している秘湯の宿凡そ200軒に、3年間のうちに10軒宿泊すると、訪れた宿のうちの希望する1軒に無料で宿泊招待されるという企画がある。これまでも会員の宿に宿泊したことはあったが、このような企画があるというのを知ったのはつい3年前のこと、平成22年の秋に長野県の中の湯温泉旅館に泊まった時のことである。そして2年後、このスタンプ帳を初めて貰った旅館で10個目のスタンプを貰い、希望旅館を満山荘にして申請したところ、第1希望の3月31日に招待宿泊の返事が届いた。
第1日(3月31日)
 当日午前7時半に家を出る。天候は曇り、山側環状道路を経由して森本ICから北陸自動車道に入る。朝食は有磯海SAで摂り、上信越自動車道の妙高PAで小憩し、昼は久しぶりに小布施のそば処「せきざわ」に寄ることにし、中野ICで下りる。
● 「せきざわ」 小布施市中松
 ここには数回訪れているが、近頃訪れた人の評ではあまり芳しくないとか。そんなこともあって一度確かめに寄ってみようと思った。目的地に着いたのは11時少し前、開店は11時半、既に2組が待っていた。車のナンバーは八王子と富山、まだ人気があるようだ。車は8台駐車可能とか、以前開店前でも駐車スペースがなく、離れた道路隅に停めたこともあった。11時半きっかりに戸が開けられ、11人が入る。ここは原則相席である。この店の原蕎麦は北信濃栄村での自家栽培のものを手刈りで天日干しにし、自家製粉しての提供が売りだった。そばは冷たい「三昧そば」(1400円)をお願いする。ややあって、初めに生粉打ち(十割)、長方形のせいろに盛られ、色は白っぽい、打ちは中細、並の味、なぜか以前ほどの感激はない。次いで変わりそば、これは二八で、この日は紫蘇切りとか、せいろの真ん中にこんもり盛られて出てきた。微かな香りと味がする。次いで粗挽き、やはりこんもりと、九一の中太で、これが最も蕎麦らしい味、でも三枚とも水切りが悪くびしょついていたのは頂けなかった。風評は本当だった。
● 「満山荘」 高山村奥山田温泉
 小布施から松川渓谷沿いに、山田温泉を経由して奥山田温泉へ向かう。微かに小雨が間断なく降っている。奥山田温泉は標高1560mの高地、山へ入るとガスが立ち込め小雪が舞っている。チェックインは午後2時、宿近くの空き地で小1時間待機した。2時になり宿へ入る。無料招待なので旧館だろうと話し合う。何時もだと新館でと言うのだが、今回はそうも言えず成り行き任せにする。案内されたのは旧館の202号室の「槍」。しかし旧館は1年前に改装されていて、随分感じが素晴らしくなっていたのには驚いた。トイレも最新の設備で完全自動、古いのは骨組みだけで、インテリアも実に素晴らしい。料金を積み増しして新館へと思っていたが、杞憂に終わった.実に満足いく空間だった。
 早速に風呂へ。この時間帯、男性は館主手製の岩風呂、女性は大枚かけて改装した檜風呂、これは午後10時から朝の8時までは男女の風呂は交替する。いずれにも内風呂と露天風呂がある。お湯は硫黄泉で白濁している。源泉は96℃だが、配湯されるお湯は65℃とかである。掛け流しである。天気が良ければ、露天風呂からは北アルプスの峰々が望めるのだが、今は小雪とガスで全く視界が利かない。今日は2組だけとか。今までは満室ばかりだったので、こんな日もあるのだと変に納得する。
 夕食は午後6時半とかで、部屋でテレビを見ながら、持参の「神の河」を飲み寛ぐ。時々ガスが切れると、眼下に雲海が広がっているのが見える。6時半になって食事処のFOOD風土へ行く。席にはもう食事が用意されている。旬の食材をふんだんに使った嫁はんの創作料理、「北信濃風 春の献立」の数々、見た目の色彩感覚も実に素晴らしい。飲み物は地の赤ワインにする。料理の説明がある。曰く「食前酒」「信州サーモン塩糀」「生湯葉」「手作り牛乳豆腐」「サラダ十種角皿盛り」「十六穀米スープ」「春の山菜天麩羅」「大岩魚のジェノバ風ソース」「牛ヒレと冬瓜のお吸い物」「チーズの茶碗蒸し」「野沢菜茶漬け」「りんごあいす」等々、ワインはハーフを3本お願いした。私も家内も、この献立にはワインが最もお似合いと思った。ゆっくり旬の創作料理を堪能した。その後部屋で寛ぐ。外は寒いらしく、降った雪が氷化している。0℃近くまで下がったのだろう。明日は天気は良くなるという。期待しよう。
 

1 件のコメント:

  1. はじめまして。2011年6月17日金曜日の、板ヶ谷の旬味処「きよみず」の記事を拝見して投稿させていただきます。

    「きよみず」で検索しこちらのブログに辿り着きました。6年程前まで金沢市で学生時代を過ごし、きよみずへも何度か足を運んでおりました。
    今年の夏頃に金沢旅行へ行く予定をしており、その際是非きよみずへ伺いたいと思い、先日電話(076-235-1756)をかけてみましたが、現在繋がらなくなっております。もしかしたら、もうお店がなくなってしまったのでしょうか?インターネットで検索しておりますが、現在の情報につながるものが見つかりません。もし、何かお知りでしたら教えていただけませんでしょうか?
    ※突然の書き込みで失礼いたします。

    中村

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