2012年8月30日木曜日

念願の白山美濃禅定道を下る〔二日目〕

 朝4時半に空が白み始めたが、夜半は満天の星で好天が期待されたものの、御舎利山はガスで包まれ出した。でもまだ油坂の頭はすっきり見えている。食事をして、南竜山荘(2080)を5時に発つ。柳谷を渡り、泥濘を避け、一旦キャンプ場へ上がり、キャビンから迂回して木道に出る。そして一気に赤谷へ下る。ここから油坂の頭(2256)まで230mの上り、ここ油坂はこのコース最大の登りである。凡そ半分ばかり上ると、南竜山荘の赤い屋根が見えてくると同時に、エコーラインと御前峰が全貌を現す。斜面は一面にチングルマの大群落、もう花期は終わって実になっている。頭まで40分、カライトソウが沢山咲いている。尾根をしばらく歩くと天池、辺りにはイブキトラノオが咲き誇っていた。7月だとここにはシナノキンバイの大きな黄色い花が見られる場所だ。行く手に大屏風(2278)が、左手東側が急な崖となって切れ込んでいる。進むにつれガスが濃くなってきた。もう御舎利山も別山も見えない。漸く見慣れた御舎利山の巻き道に入り、山の頂への分岐を過ぎると、別山(2399.4)は近い。しかしガスで頂きは見えない。ここまで3時間を要した。別山神社に参拝し、小休止する。時折ガスが切れると、一面の雲海だということが分かる。彼方に御岳や乗鞍岳が垣間見える。片や西側の石川県側は晴れていて眩い。
 さあここから南へは初めて通る径、ガスの中、やせ尾根を下る。200mばかり下ると御手洗池が見え、別山平に達する。時折ガスが切れ、振り返ると白山本峰や別山が見える。7月だと一面にニッコウキスゲが咲くという別天地、昔は此処に別山室があったという。実に素晴らしい環境の場所だ.ここから三ノ峰との鞍部まで下り、チシマザサの斜面をかき分けて登り返すと三ノ峰(2128)の頂上に出た。別山から1時間50分を要した。肩辺りまでの笹原、頂上から三ノ峰避難小屋(2128)は見えない。以前には見えたように思ったが、とにかく笹薮が凄い。笹薮を漕いで少し下ると小屋が見えてきた。驚いたことに、小屋の前の空き地にはオオバコがびっしりと生えている。どうしてここに生育しているのか、これはハクサンオオバコではない。ところで避難小屋はきれいに整理整頓されている。先月下旬、金大山岳会の3名(うち1名は私と同年輩)が石徹白から登り、2泊目はここで過ごしている。
 小屋の前で、西へ行く上小池へ下る鳩ヶ湯新道と分かれ、東の方へ行く。径は南へと向かい、緩く上って福井県最高峰の打波ノ頭(2095)を過ぎ、笹原の中を二ノ峰の鞍部へと下る。どこまでも笹原の中に一筋の径が続いている。二ノ峰との鞍部を少し過ぎた平地に水呑釈迦堂の跡との標識があり、水場の標識もある。径は二ノ峰(1962.3)へと上っていて、峰の頂きの西側を巻いている。頂を過ぎると二ノ峰の下り、一ノ峰への鞍部へはかなり急な下りだ。ここで石徹白から登ってきたという若者に出会う。今日は南竜まで、明日は御前峰へ行き、この径を石徹白まで引き返すとか、恐れ入った。鞍部からは一ノ峰(1839)へ登り返す。振り返ると二ノ峰が大きく立ちはだかる感じだ。この頃になると日射しが強くなり、汗だくとなる。一ノ峰から銚子ヶ峰の方を見ると、尾根上にピークが二つ見え、奥の方が銚子ヶ峰と聞いた。一旦鞍部へ下り、登り返すと手前のピーク(1784)、更に尾根を緩く上り、雲石ももすり岩を過ぎると銚子ヶ峰の頂(1810.4)に出た。方位盤が置かれている。時刻は12時半、三ノ峰避難小屋から2時間15分を要した。通常は2時間の行程だという。小休止し、宮川氏から今宵の宿の鴛谷さんに連絡してもらう。登山口(960m)には午後3時に迎えるとのこと、ここから850mの下りである。
 銚子ヶ峰から少し下ったところに母御石という大きな丸い石が積み重なっている場所がある。ここからの緩い下りは灌木混じりとなり、40分ほどで神鳩ノ宮避難小屋(1750)に着く。この小屋もきれいに整備されている。ここから石徹白の大杉までは700mの下り、途中おたけり坂という100mで80m下るという急坂がある。この坂を過ぎると径はブナ林に入り、暑さは和らいでくる。小屋から1時間20分弱で大杉に着いた。もう後は420段の石段を下れば、駐車場のある石徹白登山口である。鴛谷さんが待っておいでた。こうしてどうやら宮川氏の協力もあり、美濃禅定道(南縦走路)を踏破することができた。鴛谷さんとの再会を喜び合う。南竜山荘から休憩も含めて10時間の行程であった。累積高度差は、上り900m、下り1965mであった。
 民宿「おしたに」の夕食は川魚づくし、イワナ、アユ、アマゴ、ゴリ、ほかに海の魚の刺身も、充分堪能した。翌朝は日本の原風景という在所を二人で散策し、大師堂へも寄った。迎えの前田車は朝6時40分に着いた。

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