2016年6月17日金曜日

満山荘が奥山田温泉から沓掛温泉へ(その3)

(承前)
国宝 大法寺三重塔 長野県小県群青木村当郷
 道の駅で大法寺への道順を訊くと、上田に向かって1km ばかり行くとコンビニがあるので、その手前を山に向かって入って下さいと。礼を言って車を走らすと、コンビニの手前に標識があり、そこから山に入る。このお寺は子檀嶺岳 (こまゆみだけ) (1223m) の中腹にあり、ここからは塩田平を一望できるという。坂道を上がって行くと駐車場があり、ここに車を停める。寺はさらに高みにあり、径を辿り、階段を上がると本堂と思しき建物の前に出た。でも堂の正面は閉ざされていて、一見無住の感じである。塔は何処かと見回すが、此処からは見えない。すると三重塔への順路の標識があり、それに従って歩むと、上に三重塔が見えた。さらに急な石段を二つばかり上がると、三重塔の全容が見えた。右手に寺務所があり、拝観料を払い、御朱印も頂いた。案内所によると、このお寺は天台宗で、古くは大宝寺といい、奈良前期の大宝年間 (701-704) に創設されたという。この三重塔が造られたのは鎌倉時代から南北朝時代に移る過渡期とされ、この三重塔の特徴は、初重が特に大きいことで、このような形式の塔は他には奈良の興福寺の三重塔のみという。高さは 18.38 m、塔の姿があまりにも美しいので「見返りの塔〕という名で親しまれているとか。全国で国宝の三重塔は 13 基あるそうで、その内の一基は、近くの塩田平にある安楽寺の八角三重塔で、以前訪れたことがある。また寺には重要文化財の木造十一面観音立像や木造普賢菩薩立像ほか四点があるという。三重塔は素朴で静かな佇まいをして建っていた。境内には樹齢 480 年という榧 (かや) の樹があった。

麻績 (おみ) IC への道を間違えて松本へ
 寺を出て国道 143 号線沿いのコンビニまで戻り、ナビで自宅へ戻る指示を出すと、上田菅平 IC へという指示、それで一旦解除して西へ進んでからナビを入力しようと思った。国道を西進すると、途中には国道 143 号線と麻績 IC への表示が大きく出ていたので、安心して車を走らせた。沓掛温泉、そして田沢温泉への分岐を過ぎ、そろそろ県道 12 号線に入り、修那羅峠越えをしなければならなかったのに、つい快適に車を走らせ、しかもナビに入力するのも忘れ、分岐を過ごしてしまった。IC への分岐点には大きな表示があるものと思い込んでいたものだからどんどん走り、九十九折りの道になってやっと間違えたと分かった。そして青木峠を越えて松本市に入った。ここまで来たのだから腹を決めて松本へ下りようと思っていたら、暫くして道端に麻績 IC へとの表示、細い山道だが、表示を信じて山を下った。篠ノ井線を渡り、国道 403 号線に出て長野自動車道を潜り、こうしてどうやら麻績 IC に辿り着けた。
 先ずは姥捨 SA で小憩し、ここからは家内の運転で取り敢えずは小布施 PA まで、でももう少しというので新井 PA まで、これから北陸自動車道に入るとトンネルが 26 も続くので私が運転をと思っていたが、新井 PA でも停まらず、さらに名立谷浜 SA も通過、もうこうなればトンネル嫌いとかは言っておれず、観念して運転は家内に任せた。そして家内は長駆し有磯海 SA まで運転してしまった。トンネル嫌いと言っていたが、これで少々自身がついたとは彼女の言だった。後は私が運転して自宅まで。走行キロ数は 650 km、所要時間は3時間半だった。

付.蕎麦タチアカネのこと
 道の駅あおきで見たタチアカネという品種の蕎麦について紹介する。これは長野県野菜花き試験場が育成した長野県オリジナルの蕎麦の品種で、名前は茎が丈夫で倒れにくいことから「タチ」、また蕎麦の白い花が実になると茜色になることから「アカネ」、名はこの2つに由来する。今長野県では、信濃1号という中間秋型品種が最も多く栽培されているが、このタチアカネという品種 (平成 21 年登録) はより耐倒伏性に優れ、ゆで麺色の評価や千粒重や容積重がより優れているという。ただ蕎麦は他花受粉性の作物で、他の品種が近在すると交雑するので、長野県では今は青木村に限定して栽培させているという。白い花と赤い実とのコントラストが美しく、今では青木村の風物詩として定着しているという。現在村には蕎麦屋が4軒ある。

 付.山田牧場よりの日本アルプス連峰全山の山名(堀江文四郎さん撮影・制作)
 写真に表示してある山名と標高をそのまま転記した。標高にはマチガイもある。
左から右へ。前穂高岳 (3090)、奥穂高岳 (3190)、常念岳 (2857)、涸沢岳 (3110)、北穂高岳 (3106)、槍ヶ岳 (3180)、燕岳 (2763)、三俣蓮華岳 (2841)、鷲羽岳 (2924)、野口五郎岳 (2924)、烏帽子岳 (2628)、蓮華岳 (2799)、針ノ木岳 (2821)、赤沢岳 (2678)、爺ヶ岳 (2670)、立山・雄山 (3003)、鹿島槍ヶ岳 (2890)、劔岳 (2998)、五龍岳 (2814)、唐松岳 (2698)、八方尾根、天狗の大下り (2812)、白馬鑓ヶ岳 (2903)、白馬杓子岳 (2900)、白馬大雪渓、白馬岳 (2933)、白馬乗鞍岳 (2469)、戸隠連峰 (1904)、飯綱山 (1817)

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