2015年8月24日月曜日

残暑の能登へドライブ(その2)

(承前)
(2)能登半島突端の禄剛崎 (ろっこうざき) へ
 昼近くになり、間垣の里を辞して輪島の市街地に戻る。昼食は市中の喧騒を避けて、道の駅「千枚田」でもと国道 249 号線を東進する。沖には七ツ島が見えている。ねぶた温泉を過ぎ、さらに 10km ばかり走ると白米 (しろよね) の千枚田が見えて来る。稲穂はまだ緑だ。ところで道の駅は以前に比べ随分と整備が進み広くはなっているが、平日なのに観光客が実に多いのに驚く。そこへ観光バスも到着したものだから大変な混雑、とても昼食をとれる環境ではない。それではと曽々木を目指す。
 曽々木は白米からはさらに 10km ばかり先、ところで少し走って名舟 (なぶね) の「御陣乗太鼓発祥の地」の碑を過ぎた辺りに、地内は輪島市なのに、テレビドラマ「まれ」に出て来る「奥能登揚げ浜塩田輪島塩」の看板が出ていたのには驚いた。本来は珠洲の塩のはずなのに、ここではあのドラマの輪島の塩と銘打っていた。しかも観光客に海水を撒くのを体験させたり、海水を運ぶ桶を担ぐ仕草をさせたり、中々商売上手である。ところで売っている塩や海産物は実に高く、消費税ばかりか観光税も上乗せしているのではと感じた。素晴らしい魂胆だ。窓岩が見え、曽々木に着いた。時間は午後1時半近く、天然活魚と看板のある食事処へ入る。昼時とあってかなり混み合ってはいるが、空いた席もある。板敷きの広間の一卓に陣取る。窓からは海が見え、窓岩も見えている。注文は海鮮丼と刺身定食、私は冷酒を1合貰う。折しも高校野球は今日が決勝戦、まだ序盤戦、テレビ放送の音だけが聞こえて来るが、どうも神奈川代表が勝っているらしい。漸く順番が回ってきて、注文の品が届いた。魚介類は全てが地の物ではないにしろ、まずまずの品、鮮度も良かった。
 午後2時に曽々木を発ち、能登半島珠洲岬突端の禄剛崎へと向かう。程なく真浦海岸の千畳敷が見えてくる。続く仁江海岸の一帯は、日本で唯一受け継がれてきた揚げ浜式製塩の塩田があるところ、この辺り一帯には塩田が多い。一時は廃れていたが、連続テレビドラマ「まれ」のせいもあって、珠洲塩は人気沸騰で品薄とか、塩田も息を吹き返したようだ。またこの仁江海岸一帯は「日本の夕陽・百選」にも選ばれている景勝地でもある。
 珠洲市大谷町からは国道は外浦から大谷峠を越えて内浦の珠洲市役所のある飯田町に至っているが、頭上のループ橋に魅力を感じて国道を進む。よくぞこんなに立派な道路を造ったものだ。ループ橋の通り心地を満喫し、トンネル手前でUターンし、大谷から狼煙への県道、別名「奥能登絶景海道」を進む。高台から木ノ浦海岸と日本海を眺めながらのドライブは実に快適だ。道の駅「狼煙」には午後2時40分に着いた。
 道の駅から禄剛崎灯台へは坂道を登ること5分とか、家内はしんどいので道の駅で待っているというが、5分ばかりの上りだから行こうと促す。以前は道は山道だったが、今はきれいにアスファルト舗装されている。家内が先に歩き出し、私が後を追う。坂は短いが、かなり急である。遅く歩き出した長男に抜かれるのは覚悟だが、家内に追いつけないばかりか、観光バスの団体さんにもどんどん抜かれる始末、息は上がらないものの、足が重い。これではとても山へ登るなど出来ない相談だ。漸く灯台のある広場に着いた。広場には「ここが日本の真ん中」という碑もある。ここは能登半島の最北端、ここでは海から昇る朝日と海に沈む夕陽が共に見られるとか、天気が良ければ立山や佐渡も見渡せるという。灯台へは以前は入られたが、今は無人で入れない。かれこれ 30 分ばかり居て道の駅へ戻った。
 道の駅から南下して 1.5km ばかり、下によしが浦温泉の「ランプの宿」を見下ろせるパーキングへ寄った。ここ一帯は能登双見という景勝地、突端は金剛崎という岬だが、この岬一帯を「聖域の岬」として開発し、陸からも海からもこの景勝の地を巡ることができるようにしてある。もちろん有料である。10 分ばかりいて、見附海岸へ向かう。
 県道大谷狼煙飯田線をさらに南下し、日本海側一帯の守護神とされる須須 (すず) 神社 (第十代崇神天皇の時代に創建されたとされる由緒ある神社) の前を通り、半島内浦の海岸線に沿って付けられた道路を走り、珠洲市中心の飯田町を通り抜け、見附島へ向かう。駐車場に車を停め、松林を抜けて海岸へ。見附島は珠洲のシンボルとも言える、一名軍艦島の異名のある高さ 30m ばかりの島、今はこの一帯は「えんむすびーち」と呼ばれるカップルに人気のスポットとか。少し南には恋路海岸という場所もある。観光客も沢山来ていた。ここへは弘法大師も訪れたという言われ書きがあり、近くには露天風呂「弘法の湯」もあるそうだ。しばらく散策して帰宅の途につく。飯田の町まで戻り、珠洲道路 (のとスターライン)を経て穴水へ、途中道の駅「能登空港」へ寄り道した。帰宅したのは午後7時少し前、走行キロ数は 350km だった。

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