2013年7月31日水曜日

動物由来の紋所を探る

 先の「植物由来の紋所を探る」に引き続いて、田中豊子さんの「不思議を訪ねる」を参考にして、動物由来の紋所を探った。田中さんは動物のジャンルを、動物,鳥,魚、昆虫に分けて記載されたが、ここでは動物と一括りにして五十音順に記載した。前回と同じく、松村朗監修の「大辞泉」から紋所の名と記載のある動物を抽出し、その動物の和名と漢字名と簡単な説明、〔1〕紋所の由来、〔2〕代表的な紋所の名称 を記載した。

●  あげはちょう 揚羽蝶  :アゲハチョウ科の蝶(昆虫)の総称
   [1]  揚羽蝶の側面を図案化したもの。 [2]  揚羽の蝶、丸に揚羽、対揚羽蝶など。
●  いせえび 伊勢海老  :イセエビ科の甲殻類の総称
  [1]  伊勢海老全体を図案化したもの。[2]  伊勢海老の丸など。
●  いたやがい 板屋貝(半辺蚶) : イタヤガイ科の二枚貝の総称
  [1]  貝を図案化したもの。 [2]  一半辺蚶、二半辺蚶、三半辺蚶など。
●  うさぎ 兎  : ウサギ科の哺乳類の総称
  [1]  兎を図案化したもの。 [2]  真向き兎(1)、向かい兎(2) など。
●  うま 馬  ; ウマ科の哺乳類の総称
  [1]  馬を図案化したもの。 [2]  左かけ馬、右かけ馬、相馬(二杭)繋ぎ馬など。
●  おしどり 鴛鴦 : カモ科の鳥
  [1]  鴛鴦を図案化したもの。 [2]  番い鴛鴦の丸など。
●  かりがね 雁金(雁の別名): カモ科の鳥のうち、ハクチョウ類を除いた大型のものの総称
  [1]  雁を図案化したもので、数が多い。
  [2]  雁金、結び雁金、飛び雁金(以上一羽)、雁金菱(二羽)、亀甲雁金、三つ盛り雁金(以上三羽)。
●  かめ 龜  :  カメ目の爬虫類の総称
  [1]  龜を図案化したもの。  [2]  龜の字、光琳龜、登り龜、龜の丸、親子龜など。
●  しか 鹿  :  シカ科の哺乳類
  [1]  鹿の角の形を図案化したもの。  [2]  抱き角、違い角など。
●  たか 鷹  :  タカ科の鳥のうち、小型〜中型のものの総称
  [1]  鷹の羽(たかのは)とその斑紋をかたどったもので、数が多い。
  [2]  並び鷹羽、久世鷹羽(以上並び)、違い鷹羽、白川鷹羽(以上違い)、芸州鷹羽、浅野鷹羽(以上丸に違   い)。  
●  ちどり 千鳥  :  ちどり科の鳥の総称
  [1]  千鳥を図案化したもの。  [2]  波に千鳥、波輪に陰千鳥など。
●  ちょう 蝶  :  アゲハチョウ上科とセセリチョウ上科に属する蝶(昆虫)の総称
  [1]  蝶を図案化したもの。  [2]  鎧蝶、向い蝶、胡蝶、蝶菱、蝶花形、源氏蝶など。
●  つばめ 燕  :  ツバメ科の鳥の総称
  [1]  燕を図案化したもの。  [2]  対飛び燕など。
●  つる 鶴  :  ツル科の鳥の総称
  [1]  鶴の形を様々な形に図案化したもので、数が多い。
  [2]  鶴の丸、諏訪鶴、南部鶴丸、光琳舞鶴、三つ鱗鶴、鶴菱、折り鶴など。
●  とんぼ 蜻蛉  :  トンボ目の昆虫の総称
  [1]  蜻蛉を図案化したもの。  [2]  対蜻蛉、三蜻蛉など。
●  はと 鳩  :  ハト科の鳥の総称
  [1]  鳩を図案化したもの。  [2]  対鳩、向い鳩など。
●  はまぐり 蛤  :  マルスダレガイ科の二枚貝
  [1]  蛤を図案化したもの。  [2]  一蛤、二蛤、三蛤、四蛤、五蛤、蝶蛤など。
●  ほうおう 鳳凰  :  古代中国で、麟、龜、竜と共に四瑞として尊ばれた想像上の霊鳥。
  体は前は麟、後は鹿、首は蛇、尾は魚、背は龜、顎は燕、嘴は鶏に似ていると言われる。
  [1]  鳳凰を図案化したもの。  [2]  鳳凰の丸、桐に鳳凰など。
●  ほらがい 法螺貝  :  フジツガイ科の巻貝
  [1]  法螺貝を図案化したもの。  [2]  法螺貝、対法螺など。
●  りゅう 竜  :  想像上の動物。中国では、凰、龜、麟と共に四瑞として尊ばれる。  
  体は大きな蛇に似ていて、四本の足、二本の角、耳、髭を持ち、全身は鱗に被われている。
  多くは水中に住み、天に昇り雲を起こして雨を降らすという。
  [1]  竜を図案化したもの。  [2]  竜丸、昇降竜、雨竜、雨竜菱など。 

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