先の「植物由来の紋所を探る」に引き続いて、田中豊子さんの「不思議を訪ねる」を参考にして、動物由来の紋所を探った。田中さんは動物のジャンルを、動物,鳥,魚、昆虫に分けて記載されたが、ここでは動物と一括りにして五十音順に記載した。前回と同じく、松村朗監修の「大辞泉」から紋所の名と記載のある動物を抽出し、その動物の和名と漢字名と簡単な説明、〔1〕紋所の由来、〔2〕代表的な紋所の名称 を記載した。
● あげはちょう 揚羽蝶 :アゲハチョウ科の蝶(昆虫)の総称
[1] 揚羽蝶の側面を図案化したもの。 [2] 揚羽の蝶、丸に揚羽、対揚羽蝶など。
● いせえび 伊勢海老 :イセエビ科の甲殻類の総称
[1] 伊勢海老全体を図案化したもの。[2] 伊勢海老の丸など。
● いたやがい 板屋貝(半辺蚶) : イタヤガイ科の二枚貝の総称
[1] 貝を図案化したもの。 [2] 一半辺蚶、二半辺蚶、三半辺蚶など。
● うさぎ 兎 : ウサギ科の哺乳類の総称
[1] 兎を図案化したもの。 [2] 真向き兎(1)、向かい兎(2) など。
● うま 馬 ; ウマ科の哺乳類の総称
[1] 馬を図案化したもの。 [2] 左かけ馬、右かけ馬、相馬(二杭)繋ぎ馬など。
● おしどり 鴛鴦 : カモ科の鳥
[1] 鴛鴦を図案化したもの。 [2] 番い鴛鴦の丸など。
● かりがね 雁金(雁の別名): カモ科の鳥のうち、ハクチョウ類を除いた大型のものの総称
[1] 雁を図案化したもので、数が多い。
[2] 雁金、結び雁金、飛び雁金(以上一羽)、雁金菱(二羽)、亀甲雁金、三つ盛り雁金(以上三羽)。
● かめ 龜 : カメ目の爬虫類の総称
[1] 龜を図案化したもの。 [2] 龜の字、光琳龜、登り龜、龜の丸、親子龜など。
● しか 鹿 : シカ科の哺乳類
[1] 鹿の角の形を図案化したもの。 [2] 抱き角、違い角など。
● たか 鷹 : タカ科の鳥のうち、小型〜中型のものの総称
[1] 鷹の羽(たかのは)とその斑紋をかたどったもので、数が多い。
[2] 並び鷹羽、久世鷹羽(以上並び)、違い鷹羽、白川鷹羽(以上違い)、芸州鷹羽、浅野鷹羽(以上丸に違 い)。
● ちどり 千鳥 : ちどり科の鳥の総称
[1] 千鳥を図案化したもの。 [2] 波に千鳥、波輪に陰千鳥など。
● ちょう 蝶 : アゲハチョウ上科とセセリチョウ上科に属する蝶(昆虫)の総称
[1] 蝶を図案化したもの。 [2] 鎧蝶、向い蝶、胡蝶、蝶菱、蝶花形、源氏蝶など。
● つばめ 燕 : ツバメ科の鳥の総称
[1] 燕を図案化したもの。 [2] 対飛び燕など。
● つる 鶴 : ツル科の鳥の総称
[1] 鶴の形を様々な形に図案化したもので、数が多い。
[2] 鶴の丸、諏訪鶴、南部鶴丸、光琳舞鶴、三つ鱗鶴、鶴菱、折り鶴など。
● とんぼ 蜻蛉 : トンボ目の昆虫の総称
[1] 蜻蛉を図案化したもの。 [2] 対蜻蛉、三蜻蛉など。
● はと 鳩 : ハト科の鳥の総称
[1] 鳩を図案化したもの。 [2] 対鳩、向い鳩など。
● はまぐり 蛤 : マルスダレガイ科の二枚貝
[1] 蛤を図案化したもの。 [2] 一蛤、二蛤、三蛤、四蛤、五蛤、蝶蛤など。
● ほうおう 鳳凰 : 古代中国で、麟、龜、竜と共に四瑞として尊ばれた想像上の霊鳥。
体は前は麟、後は鹿、首は蛇、尾は魚、背は龜、顎は燕、嘴は鶏に似ていると言われる。
[1] 鳳凰を図案化したもの。 [2] 鳳凰の丸、桐に鳳凰など。
● ほらがい 法螺貝 : フジツガイ科の巻貝
[1] 法螺貝を図案化したもの。 [2] 法螺貝、対法螺など。
● りゅう 竜 : 想像上の動物。中国では、凰、龜、麟と共に四瑞として尊ばれる。
体は大きな蛇に似ていて、四本の足、二本の角、耳、髭を持ち、全身は鱗に被われている。
多くは水中に住み、天に昇り雲を起こして雨を降らすという。
[1] 竜を図案化したもの。 [2] 竜丸、昇降竜、雨竜、雨竜菱など。
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