2013年6月22日土曜日

改装なった川金・鮎の庄へ香魚を求めて

 昨年10月8日に子持ち鮎を食べに川金・鮎の庄へ行った折、改築のため11月1日から翌年4月まで休業するとのことだった。改築前の席数は50ばかり、営業は午前11時からなのだが、土日は11時に行ったのでは既に満席で、最初にありつこうとすれば、10時には着いて事前登録しなければならなかった。土日祝日以外の平日ならば予約はできるが、これまで平日に出向いたことはない。庄川畔には今も数軒の鮎を食べさせる店があるが、この店ほど混み合っている店は他にはない。古くは石川県知事だった中西陽一さんが、よく車を飛ばして食べに行かれたことでも知られている。
 今年になって、そろそろ鮎も解禁(犀川は6月15日、庄川は6月22日)になるのにどうなっているのかなと思っていたところ、地元紙に6月1日に新装開店とあった。家内が6月12日(水)に休みがとれるとのことで、早速予約した。当日は天気もよく、家を9時に出て、額菩提樹苑にある三男の墓へ寄った後、山側環状道路、森本IC、北陸高速道、砺波ICを経て、富山県砺波市上中野の庄川畔にある川金・鮎の庄に向かった。10時半に着いた。11時からなので、川金のロビーで暫く寛いだ。改築された鮎の庄は改築前の倍くらいの大きさの平屋建て、以前と比べモダンな感じになった。時間になって促されて鮎の庄に向かう。以前は旅館に垂直に建物が延びていたが、新しい建物は平行になっている。
 案内されたのは窓側の6人テーブル、テーブルの真ん中に角形の灰床、以前のは囲炉裏部分が大きくて、皿を置くスペースが狭かったが、新しいのはテーブルも広く、椅子にも余裕がありゆったりしている。以前に比べて角形の灰床の面積は小さいが、でも6人が10本ずつ食べても、十分串を並べるスペースがあり、合理的な設計になっている。とにかくゆったりなのが良い。6人での相席でも十分余裕がある。前は10人席でも10人だと窮屈だったし、小上がりの6人卓も狭かった。職員の服装も、和装から洋装になった。
 注文は、取りあえず、鮎の塩焼き10本、鮎の造り1皿、うるか三種盛り1皿、飲み物は銀嶺立山の300mlとノンアルコールビールを1本お願いした。つまみには「ちょろぎ」が出た。〔注:チョロギというのは、中国原産のシソ科の多年草で、栽培されている。秋には淡紅色の唇形の花を穂状につける。この植物の根の先端には、連珠状の白い塊茎が付くので、これを掘り取り、梅酢で赤く染めて食用に供する。地方によっては、正月料理には黒豆との取り合わせにかかせないという〕。
 さて鮎だが、川金のパンフレットには次のように書かれている。「庄川で育まれた鮎は、天下一との誉れをいただいており、遠方からも多くのみなさまがお越しになります。釣りたてを炭火で焼き上げた味を、川金「鮎の庄」でご堪能ください」と。しかし私たちが寄ったのは6月12日、解禁は22日であるからして、鮎は天然ではなく養殖である。これは解禁後も同じで、鮎の庄では天然の鮎が出ることはなく、もし天然の鮎を食べたいのならば、川金で鮎料理を食べねばならない。改築後は見られなくなったが、以前は生け簀に沢山の鮎をストックしていて、しょっちゅう補給されていた。そして一度に何十尾もタモですくい、目にも止まらない速さで串に刺していた。今はそれが見られなくなった。ただ入り口近くで鮎を焼いていて、強火の遠火で円形に串を立て、焼いているのを見ることができる。1カ所でざっと30尾、これが3カ所あり、圧巻である。
 程なくして鮎の塩焼きが来た。大きさは15〜17cm位、養殖なので月を経てもそんなに大きくはならないが、もう少しは大きくなろうか。でも、小さくとも焼きたてを蓼酢で頂くのは至福の時である。もう一尾二口である。鮎の造りの鮎は塩焼きのよりは大きい。洗いにしてはなく、下ろしたまま、清々しい味がした。鮎のうるかは私の大好物、でも近頃は家内も味をしめて、三種盛りでも特に「子うるか」を独り占めにしてしまう。ただ「黒うるか」や「わたうるか」には手を出さないから救われる。ちなみに「うるか」というのは、鮎のはらわたや卵を塩漬けにした塩辛で、酒の肴としては中々珍味である。
 その後さらにもう10本所望、そして野菜の天ぷらと漬物盛り合わせ、それに飲み物、最後に家内はざるうどんを頼んでいた。これで十分に堪能した。でも見てると、大部分のお客さんは「鮎の膳」を注文のようで、後で清算したときに、20本も食べられたのですかとあきられたというから、私たちの方が変わっていたのかも知れない。でも満足した。

 以下に余分だが、新装なった「鮎の庄」を若干紹介しておく。
● 営業の案内
 旬彩いろり茶屋「鮎の庄」 〒939-1323 富山県砺波市上中野70 川金 庭園内
             電話 フリーダイヤル 0120-01-0257     代表 0763-82-0257
   営業時間  昼の部 11:00〜14:30  夜の部 17:00〜20:00
 定休日  4月〜10月は無休  11月〜3月は火曜日が定休日
 予 約  平日の昼・夜ともに可  土・日・祝日は夜のみ可  個室4室あり予約可
● 鮎御膳 2,000~3,000円 鮎料理 500-900円 鮎の塩焼き 380-650円 鮎の造り 800-1,000円
● 一品料理 500-700円 珍味うるか 100-600円 鮎雑炊 800円 麺類 750-800円 甘味物 300-700円
● 日本酒(4合)2,000-7,800円 ビール ノンアルコールビール ワイン 焼酎 チューハイ ほか  

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