2013年6月3日月曜日

第50回25周年記念巨樹探訪会〔第2日〕

 5月19日(日)
5.鬼岳稲荷神社  福知山市大江町北原
 午前6時に市のマイクロバスで山へ向かう。この大江山一帯は京都府歴史的自然環境保全区域に指定されていて、ブナなどの落葉広葉樹やカシなどの常緑広葉樹の自然林が残っており、しかも北方性と南方性の植生が混在しているという。山はフジが花盛り、ヘアピンカーブもある舗装された山道をバスは上がって行く。15分は上ったろうか、林道の終点が鬼岳稲荷神社で、ここには展望台もあり、説明では、秋の早朝にはよく雲海が発生し、日の出の瞬間の「ご来光」は実に神秘的で荘厳とか。この日は雲海は眺められなかったものの、遠く若狭湾や青葉山を望めた。
 さて、配付の案内文では、終点より更に10分登れば展望台へ行けるとか、神社の手前に上り100mという表示のある山道があり、これがてっきり展望台への道と思い進むと、お稲荷さんの小さな祠で道は消えていた。これはお稲荷さんまでの小径であったようだ。戻って神社まで行くと、その奥に大江山登山道との標識があり、ここは八合目 (640m) で頂上 (833m) までは 1.2km とあった。しかしこれより先へは進まず、周囲を散策する。原生林の樹種は主にブナ、正に緑の真っただ中、空気が実においしい。会員の方々は実に熱心、またよく樹木の名をよく知っておいでだ。私が分かるのはブナくらい。これから教わらなければなるまい。約1時間滞在して宿舎へ戻り、朝食後 8:40 に出発する。

6.元伊勢内宮 皇大神社  福知山市大江町内宮
 宿舎から二瀬川沿いに府道9号を南下すると、15分ばかりで皇大神社下に着いた。ここから参道の石段を上る。途中に麻呂子親王御手植の杉の巨樹があり、その三本の内の一本と記されてある。もう少し上がると一本は切り株となっていた。更に上がって樹皮が付いたままの黒木の鳥居をくぐると、正面に神明造りの茅葺きの本殿がある。御祭神は皇祖天照皇大神である。そして向かって左側にはアメノウズメノミコトの母、右側にはアメノタジカラノオノミコトを祀る脇殿がある。そして本殿左手には御神木の「龍灯の杉」(幹周 700cm, 樹高 25m, 樹齢 2千年) があり、落雷と火災で樹は痛々しいが、枝葉には勢いが見られる。これらを囲んで全国の一之宮 84 社が脇宮として祀られており、石川県の加賀一之宮の白山神社、能登一之宮の気多神社の名も見られた。境内にはほかにスダジイ (幹周 426cm , 樹高 25m) やシラカシ (幹周 485cm , 樹高 18m) などの巨樹のほか、スギ、クスノキ、エノキの大樹が植わっている。
 その後、祢宜の方と観光協会の公園指導員の方から、この神社の来歴やこの地の植生の解説を受けた。それによると、人皇第10代崇神天皇39年に、皇大神を永遠に御遷座する場所を求めて倭 (やまと) より出て御遷幸の砌、この地に4年間御鎮座になり、その54年後、人皇第11代垂仁天皇26年に漸く伊勢の五十鈴川上の地にお鎮まりになったという。元伊勢内宮と言われる所以である。
 その後私たちは谷沿いに岩戸山 (日室ヶ岳 427m)遥拝処へ行く。夏至の日には、このピラミッド型の山頂に太陽が沈むという。更に進むと岩下に天岩戸神社が見える地点に、当初の予定ではここで戻る予定だったが、皆さん興味があって、崖を削って造られた急な石段を下りて二瀬川の川床まで下りてしまった。そこには天岩戸を想わせる巨岩が両岸に並び、天岩戸神社は左岸の丸い巨石の上に鎮座されている。そこへ参拝するには、鎖を頼りにしないと上れない。登れる人のみが上がって参拝した。なかなか神秘的な場所である。
 再び崖に刻まれた狭い径を車道へと戻り、帰りは元宮には戻らずに車道を歩いて神宮下の駐車場へ戻った.この頃になって雨が降ってきた。山腹にはヒメウツギの白い花、フジも咲いている。説明に出てきたジャケツイバラの黄色い花も見られた。

7.あしぎぬの大雲の里  福知山市大江町北有路
 11時に皇大神社の駐車場を出る。川沿いに下り、由良川と合流する地点にある表記の場所にあるレストランで昼食をとることに。だが着いた時間が早くて、先客があり、昼食場所は隣接する平野邸に変更になった。本来は入館料300円が必要なのだが、昼食場所ということで無料になった。お座敷二間に昼食弁当が並ぶ。庭を見ながらの贅沢な昼食、食事後管理人から説明を受けた。この地は古来から丹後と丹波を結ぶ交通の要となる地で、由良川水運の拠点として賑わったという。河口からこの北有路までは2km、高低差は6m、それで船は平底の高瀬舟、上流の綾部まで行けた。平野氏は楠正成の従臣の末裔で、江戸時代の初めに有路に住み、藩主牧野氏の御用達として活躍した。明治維新後も酒造業、養蚕にかかる繊維業に携わり、京都銀行の前身となる銀行を興し、地域の経済、文化に多大な貢献をした。この建物は平野家12代の吉左衛門により明治42年 (1909) に建てられたもので、現在は記念館として管理され、京都府有形文化財に指定されている。邸内は広く、階段が3カ所もあるのには驚く。襖も欄間も凝っていて、目を見張るものがある。また庭園も素晴らしくて、特に二階からの眺めが良く、道路を挟んで由良川も見える。庭の樹種はイヌマキが主で、枯山水もあり、間にツツジが植わっている。ただ手入れが十分行き届いていない感がする。12:20 に次の訪問地へ向かう。

8.「才ノ神」のフジ  京都府天然記念物  福知山市大江町南有路
 府道9号線を南下し、国道175号線に出て、由良川に架かる大雲橋を対岸に渡り、山道を走ると「才ノ神」のフジに達する。平野記念館から7分の距離である。
この藤は、以前は目通りの周囲は 7.9m 、2千年を超える欅の大木に絡まって、根元の幹が1mを超える6本の藤が立ち上がっていて、共に御神木として大切にされ、昭和9年 (1934) 5月には国の天然記念物に指定された。ところが幾度の落雷で欅の枝は折れ、樹幹は根元が空洞化し、倒れた樹幹の一部が藤を支える状態だったことから、昭和35年 (1960)1月には解除となった。そこで欅の枝の代わりに、鉄骨で藤を支えることになった。その後三度に及ぶ藤棚補強と拡張により、現在の姿になっている。フジは現在幹周り180cm 以上あり、以前の如く枝を張り、例年5月中旬に紫雲の花穂を垂らし、芳香を漂わせている。今年は先週の日曜日の5月12日に藤祭りが催されたという。でもまだフジの花穂は垂れていて、雨の中、芳しい香りを漂わせていた。
 高札に曰く。御神木に守られる祭神は、「八節比古命」「 八節比売命」「久名戸神 (別名 猿田彦命)」の三柱で、天孫降臨の道案内をした神々である。
 
 これで今回の巨樹探訪会の行事はすべて終了した。現地出発は 12:50、金沢帰着は 17:05 だった。 

0 件のコメント:

コメントを投稿