2010年1月29日金曜日

いわゆる抗がんサプリメント (5) 栄養補充・体調改善ほか

 新陳代謝促進、免疫力増進、食欲改善などの様々な作用で自然治癒力を向上させ、がん細胞の増殖を防ぐ。

1.朝鮮人参・高麗人参 (オタネニンジン Panax ginseng) oriental ginseng
 ウコギ科トチバニンジン属の植物で、中国では強壮薬として名の知れた生薬で、薬用部分は根である。中国名は「人参」で、調整法により「白参」と「紅参」(高麗人参の上級品)に大別される。俗に「疲労回復効果がある」「強心作用がある」と言われ、風邪の予防、Ⅱ型糖尿病の改善、認識能力の向上などに対して、一部にヒトでの有効性が示唆されている。安全性については、種々の副作用、医薬品との相互作用の報告があり、特定の使用制限があるハーブとされている。成分は11種類のジンセノシドと呼ばれるホルモン様サポニンを有し、これが重要な有効成分で、ほかに精油、ステロール、でんぷん、ペクチン、ビタミンB群を含む。がんの予防に対して、経口摂取で有効性が示唆されている。疫学的調査によると、オタネニンジン(特に新鮮なニンジンエキス)を摂取すると、がん全般、とりわけ胃、肺、肝臓、卵巣、皮膚のがんの発生率が低下するらしいと報告されている。
2.三七人参 (サンシチニンジン Panax notoginseng) pseudoginseng
 ウコギ科の薬用植物。中国南部の原産、植えてから収穫されるまでに3年~7年かかることから、この名が付けられた。雲南省や広西省チワン自治区の海抜1200-1900mの地域で栽培される。紡錘形の根を薬用とする。中国名は「田七人参」で、広西省の田陽や田東で産することから「田」の字が冠される。オタネニンジンとは成分や性質が多少異なる。古くから止血に利用されてきたが、その薬理作用は多彩であり、利用方法や生体の状況に応じて止血あるいは抗凝血という双方向の作用を示すと言われている。俗に「心臓病に対する作用が期待できる」と言われ、他のハーブと組み合わせた前立腺がんへの臨床研究も報告されているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータは見当たらない。安全性については、口渇、吐き気、嘔吐などが報告されている。主成分はジンセノシドで、ほかに精油成分を含む。
3.西洋人参・広東人参 (アメリカニンジン Panax quiquefolius)
 ウコギ科の薬用植物。アメリカ南部の森林地帯に自生するものが最上質品で、北米先住民は根と葉を薬草として用いた。滋養強壮、体液の補充を促す作用がある。
4.竹節人参 (トチバニンジン Panax japonicus)
 日本では山地の林内に自生する。数種のジンセノシドを含むサポニンを含有するほか、特有のチクセツサポニンを含む。解熱、去痰、健胃薬として利用される。

付.キチン Chitin
 キチンはカニやエビなどの甲殻類の外殻にあるムコ多糖体で、不溶性の食物繊維として知られている。キチンが部分的に脱アセチル化するとキトサンになる。一般に食品添加物(増粘剤、安定剤)として使用が認められている。俗に「免疫力を助ける」「血圧を下げる」「血中コレステロールを下げる」などと言われているが、ヒトでの有効性・安全性については信頼できるデータは見当たらない。成分は β-1,4-poly-N-acetylglucosamine、白色無定型の粉末もしくは繊維状で、酸・アルカリ及び各種溶媒に不溶である。
付.キトサン Chitosan
 キチンを加工したものだが、キトサンの中にはキチンが16%含まれていることから、実際にはキチン・キトサンとして取り扱われる。俗に「便秘を解消する」「有害成分を排出する」などと言われている。ヒトでの有効性については、キトサンを関与成分とした特定保健用品が許可されている。安全性については、経口摂取や外用で安全性が示唆されている。成分は β-1,4-poly-glucosamine で、キチンの脱アセチル化物、水に不溶であるが、希酸に可溶である。
付.クルクミン Curcumin
 ターメリック(ウコン)に含まれる黄色の色素で、俗に「抗酸化作用がある」「肝臓によい」「発がんを抑制する」などと言われているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータは見当たらない。
 ウコン Turmeric はショウガ科ウコン属の植物で、平安中期に中国から渡来した。インド、中国、インドネシア及び他の熱帯諸国で広く栽培されている。一般にウコンと名が付くものには、ハルウコン、アキウコン、ムラサキウコン、ジャワウコンがあるが、正式な和名のウコンはアキウコンである。俗に「肝機能を高める」と言われ、消化不良に対しては一部にヒトでの有効性が示唆されているが、信頼できるデータは十分ではない。安全性については、通常食事中に含まれる量の摂取であれば恐らく安全であると思われるが、過剰もしくは長期摂取では消化管障害を起こすことがある。黄色色素のクルクミンが3-6%、ターメロンやセスキテルペン類の精油が3-5%含まれる。
付.セレン Selenium (Se)
 原子番号34の元素でS(硫黄)と同族。Seはヒトにとって必須の微量元素で、酸化障害に対する生体防御に重要なグルタチオン・ペルオキシダーゼ類の活性中心であり、抗酸化反応において重要な役割を担っている。俗に「老化やがんを防ぐ」「生活習慣病を予防する」などと言われ、前立腺がんの発生率低下、全がん死亡率の減少など、一部にヒトでの有効性が示唆されている.安全性については、許容摂取量の範囲内で適切に摂取すれば安全と思われる。催奇形性や流産の恐れがあるので、妊娠中は避けるべきである。Seを多く含む食品としては、ネギ、ワカサギ、イワシなどがある。
付.AHCC (Active Hexose Correlated Compound) 活性化糖類関連化合物
 シイタケ属に属する担子菌類の菌糸体の培養液から抽出された αグルカンに富んだ植物性多糖体の混合物で、がん化学療法の補助療法として用いる。

まとめ: 作用の仕方で分けた『抗がんサプリメント』 (福田一典医師による)

① 免疫増強作用: 免疫細胞の働きを高めて、がん細胞を排除する
    アガリクス、メシマコブ、レイシ、冬虫夏草、キチン・キトサン、アラビノキシラン
② 抗酸化作用: がん悪化の原因となる活性酸素の除去
    カロテノイド、VC、VE、カテキン、フラボノイド、セレン
③ 血管新生阻害作用: がんを養う血管の新生を抑えて成長を止める
    サメ軟骨、サメ脂質、スクワラミン、クルクミン、大豆イソフラボン
④ アポトーシス誘導作用: がん細胞が自ら死滅する作用を促進する
    フコイダン、紅豆杉、タヒボ、アミグダリン、プロポリス、ω3不飽和脂肪酸
⑤ 栄養補充・体調改善: 不足する栄養素の補充や体の機能の活性化
    マルチ・ビタミン、ミネラル、高麗人参、乳酸菌製剤

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