2016年10月3日月曜日

中の湯温泉と上高地(その1)

9月24日(土)
 中の湯温泉から来訪の案内があったのは6月中旬、これまで数回訪れており、それで9月24日宿泊で返事を出しておいた。来館された折には、飛騨牛のステーキを用意しますという。またそこへ泊まると、翌朝に上高地まで送って貰えるという恩典もある。
 この日は9時過ぎに家を出た。白山 IC から北陸道へ、さらに東海北陸道を辿り、飛騨清見 IC で下り、中部自動車縦貫道を高山で下り、国道41号線を南下し、取り敢えずは市の南端にある高山陣屋を目指す。家内のお目当ては、陣屋の真ん前にあったユニークな小間物屋?、でもその店は名の聞こえた人の名を冠したラーメン屋に変身していた。高山は何度も来ているのでパスし、私は高山から東へ延びる国道158号線の途中に記載のある「森の水族館」というのに興味が魅かれ行くことに。早速ナビで検索するが、岐阜県にある水族館は1カ所のみ、それは飛騨ではなかった。でも地図には載っているのだからと、注意して車を走らせると、「森の水族館」という小さな看板が左手に出ていた。小八賀川に架かる橋を渡り、県道を西へ、そして2km ばかり走ると、お目当ての施設が見えた。
(1)民芸ミュージアム匠の館・森の水族館  高山市丹生川町根方 532
 丹生川町は町村合併前は、岐阜県大野郡丹生川村で、以前にはこの村にある朴の木平スキー場へ何度も通ったし、乗鞍スカイラインのバスターミナルもこの地内にある。スキー場は秋にはコスモス園になる。また飛騨大鍾乳洞も標高 900 m の国道沿いにある。
 さて目指すは森の水族館だったが、着いたのは「匠の館」、よく見ると、小さく「森の水族館」の文字、どうも水族館の方は付属施設のようだった。でも来たのだからと入館料を払って館の中に入る。どっしりとした名工が建てたという田上家の農家住宅、玄関の右手には馬小屋、入り口の一番良い場所に馬を飼っておくとか、今いるのは小柄な木曽馬、いろんな芸もし、その度に褒美の餌を貰っている。観光客にも慣れていて可愛い。館はかなり大きい。座敷も幾間もある。庄屋だったのだろうか。二階は以前は蚕を飼っていたというスペース、今はそこにいろんなものが展示されている。中でもこの家からは日展会友の画家を輩出していて、その方の絵画も多く飾られていた。1階に戻って、受付をしている老婆と暫し話し込む。その折に、玄関に置いてある新鮮な野菜に話が及び、家内は興味を示して、一通り全部を買った。新鮮で安く、実にツヤツヤとしていて、こんなきれいな野菜はなかなか巷では見られない。
 次いで「森の水族館」へ。館右手の潜り戸を抜けて露地に入る。戸は必ず閉めて下さいと。でもその意味はすぐに分かった。中に一羽のアヒルが居て、私たちが中へ入った時は池に居たが、入ると池から上がって来て、猛然と私のズボンに噛み付いてきた。どうしてよいか分からず、家内に母屋へ聞きに行ってもらうと、エサの催促とのことだった。一瓶百円とかという餌、中はトウモロコシ、蓋を空けるや否や跳びかかってきた。驚いて瓶を落とすと、瓶の中も、溢れた実もきれいに食べた。そしてその後お目当ての水族館へ。とはいっても、水槽は4つのみ、谷川のきれいな水が絶えず供給されている。入り口にドクターフィッシュ、次いでチョウザメ、そして圧巻はイトウ、1 m はあろうか、そしてイワナの群れ、老婆は日本で一番小さな水族館だという。尤もだ。母屋に戻り、野菜を頂いて辞する。帰りに老婆と家内との記念写真を撮った。後日送ることに。帰りには進行方向に行きなさいと。あの細い道をまた戻らねばならないのかと心配していたが、助かった。
(2)平湯大滝(日本の滝100選) 高山市奥飛騨温泉郷平湯768−47
 森の水族館を出たのは午後1時半、国道158号線を東へ、飛騨大鍾乳洞への分岐を過ぎて更に高度を上げ、朴の木平を過ぎる。以前にこのスキー場へ来るには平湯峠 (1684 m) を越えて来たものだが、その後平湯トンネルが出来て便利になった。トンネルを抜けてループ橋を降下すると平湯に出る。まだ時刻は午後2時、ここには平湯大滝という名爆があり、私はここへは何度も来ているのに、その全貌は見たことがなく、見に行くことにした。
 平湯スキー場の脇を車で行くと、平湯大滝公園の駐車場に着く。ここでの駐車料金は環境整備協力費という名目で500円。ここから滝までは歩いて15分ばかりとか、かなり沢山の車が停まっている。10分程歩くと滝が見えてきた。さらに歩くとその全貌が、日本の滝百選にも選ばれているだけあって、高さといい、水量といい、それだけの価値はある。この滝は乗鞍岳中腹の標高 1500 m の大滝川にかかる落差64m の直瀑で、大水量が巨大な断崖を一気に落ちていて、谷全体にその水音が轟いている。何とも豪快な滝だ。日本アルプスを世界に紹介した W. ウェストン卿もこの滝を絶賛したとある。
 午後2時半近くになり、一旦平湯に戻り、中の湯温泉へは安房峠越えの国道158号線を辿ることにする。安房峠道路入り口を通り過ぎて、温泉街の途中から山へ向かう。新トンネルが開通するまでは、この山越えが松本と高山を結ぶ唯一のルートだった。その頃に通ったことがあるが、特に大型トラックや大型バスの通行があると、大変渋滞したものだ。でも今は静かな峠越え、安房平を過ぎ、安房峠 (1790 m) を越え、下から数えて7番目の7号カーブを過ぎると、右手に今宵の宿の中の湯温泉旅館が見えて来る。

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