2016年10月27日木曜日

「蕎味 櫂」

 本年8月に行なった探蕎会の世話人会で、平成28年10月の会の行事は、前田事務局長の発議で、10月24日 (月) に、金沢市東山茶屋街の一角にある蕎麦屋「蕎味 櫂」へ行くことに決まった。この店、前田さんによると、1年前に開店した由、そして本年7月からは、昼は3500円、夜は7000円のコース料理のみで、そばは単品のみでは注文できないとのことだった。また席数は10席のみと狭く、予約が賢明とかだった。
 その後、前田さんのブログの「めくれない日めくり日記」9月6日の記載を見ると、予め世話人の塚野さんと2人で下見をしたとあった。席数は4人掛け2脚と2人掛け1脚のみで、すぐに満席になったとのことだった。そしてその日は店内にジャズが流れ、雰囲気は殊の外良かったと記述されていた。
 しかし会の行事とはいえ、この店の収容人員は10名ということ、また今まで全く知らなかった店ということもあって、漏れ聞いた希望者だけで定員に達してしまったらしい。それでこの日参加した諸氏は、寺田会長のほかには、50音順に、池端、奥平、木村、西田、新田、前田、松井、松川、松田の諸氏であった。
 集合は10月24日 (月) の正午に、金沢市東山茶屋街の一角にある蕎麦屋「蕎味 櫂」、でも私はすんなりその店に辿り着けるかどうかは不安だった。前田さんに訊くと、茶屋街の突き当たりを右に曲がると件の店があるとか、場所は大体見当はついたが自信はなく、30分程前に東山茶屋街に着くようにした。しかし簡単には見つからず、そうこうするうちに参加されるメンバーと顔が会い、件の店の前に全員が集合できた。建物は中三階の町家、その昔は茶屋だった風情の家で、小さく「蕎味 櫂」と書かれた標識がそれと分かる印なのだが、暖簾が出ていないと、つい見逃してしまいそうだ。そして正午になり暖簾が出され、私たちは三々五々店内に入った。この日はテーブルを全部寄せて、10人が座れるように設えてあり、外履きのまま格子戸を開け店内に入った。そして足元には鉢に野花が生けてある。この1階は、おそらく外履きのまま入れるように改装したのだろう。通りに面した側には、町家によく見かけられる「きむすこ」がはめ込まれている。そして入り口右手の棚には、趣味の蕎麦猪口などのコレクションが飾られている。
 この日のコースは「そば遊膳」のコースである。取り敢えずはお酒、個々ではなく4合瓶で頂くことに。先ずは地元石川・白山の「吉田蔵」、都合で飲めない2人を除く8人で頂く。大変口当たりが良く、さながら美味しいお水という感じ。ラベルを見ると、山廃純米無濾過原酒とある。どうも冷酒用に設えたもので、度数は13度と控えめ、道理ですいすい飲めるわけだ。凌ぎの水も添えられていて嬉しい。
 はじめにモダンな中鉢にすり下ろした「とろろ」に「いくら」、それに下ろし山葵。一口ですすれそうな分量、でもそうはゆくまい。お酒がなくなって、次いで宮城の「伯楽星」、これは純米吟醸酒、少し重いが美味しいお酒だ。度数は16度とある。
 次いでお刺身、素朴な素焼き風の中皿に三種盛り、鰺、あら、ばい貝の刺身に、下ろし生姜と山葵、あしらいにツルムラサキ、これは私の家の庭にも生えている。同行の新田さんはスナックを経営されていることもあって、食材には詳しく、「あら」は正式にはクエという大型の魚だと話されていた。食べながらこんな知識を得られるのも楽しい。
 次にお椀もの、鴨のつみれとそばがきに原木ナメコ、汁が張られ、あしらいに苺と若芽が添えられている。お酒の凌ぎにはもってこいだ。そして3本目のお酒は石川・輪島、奥能登の白菊の純米酒の「寧音」、度数は13度、穏やかなスッキリしたお酒だ。
 次いで天ぷら、金襴手の円い中皿に紙を敷き、海老、唐辛子、甘藷、蓮根、椎茸の天ぷらが形よく並べられて出された。でも今一盛り付けに工夫があれば最高なのにと思った。       (続く)

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