2016年3月4日金曜日

久保さん夫妻とのみちのくへの蕎麦屋巡り(その4)

6.四度目のみちのく蕎麦ツアー 平成19年 (2007) 10月6日〜8日
このツアーに参加したのは、初回から連続参加の久保夫妻、小塩、松田と私と、3回目の石黒、2回目の越浦、和泉、松川に、初回の池端、和泉夫人、小山の総勢12人の諸氏である。
第1日 10月6日 (土)
 過去3回マイクロバスの運転を担当されてきた砂川さんが退会されてしまって、長距離のバス旅行が危ぶまれたが、ここに救世主の泉さんが登場された。感謝感激である。早朝白山市の「和泉」駐車場に集結し出発する。途中バスから立山から昇る朝日に遇う。今日最初に目指すのは上山市金瓶にある「想耕庵」、この地は旧金瓶村と言って、斎藤茂吉の故郷であり、斎藤茂吉記念館もあり、久保夫妻の思い入れも一入だったろう。昼に着いた。古い門構え、入ると庭は一面の野菜畑、母屋は元は豪商の離れだったとか、何とも野趣に富んだ店ではある。野菜天の材料は自家産、所で出された板そばには茹でむらがあり、久保さんの言では、まだ素人さんだねということだった。窓下には須川が流れ、外には粉雪と見紛う小虫の乱舞、実はそれは薄 (すすき) の穂絮だと主に教えてもらった。
 次いで近くにある「斎藤茂吉記念館」へ寄り、1時間ばかり見学した。その後には長駆北上して、今宵の宿がある尾花沢市の銀山温泉にある老舗旅館「古山閣」へ向かう。旅館街は銀山川に沿ってあり、上流には銀山跡、往時には加賀、能登、越中から多くの鉱夫が来て賑わったとか、この旅館の先祖も加賀の出身だという。また「能登屋」という大きな老舗旅館もある。ところで私たちが泊まったのは本館ではなくて、離れの蔵屋敷、それでお湯は歩いて5分の本館まで行かねばならないのが難儀だった。夕食後、銀山川の辺りで開かれていた花笠踊りのイベントを見に出かけた。
第2日 10月7日 (日)
 8時に宿を出て、今日は長駆南下して米沢市へ、そして前回も訪れた「蕎酔庵」へ。タイミングよく開店時間に入れた。蕎麦前の後、十割と二八を頂く。ところで新蕎麦だというのに久保さんは浮かない顔、主人の言では、使ったのは地元の極早生で、香りが今一とか、そのせいだった。この後近くにある「東光の酒蔵」を見学し、小野川温泉の「やな川旅館」へ向かった。若衆はサイクリングを楽しむ。
第3日 10月8日 (月・祝)
 8時過ぎに宿を出て、大峠トンネルを抜けて福島へ、道の駅で「くらはく」(喜多方蔵のまちづくり博覧会)があると知り、喜多方市の「喜多方蔵の里」へ、この日は無料とかで、いろんな蔵を見学できた。また久保夫人の案内で、古い茅葺きの曲がり家にも案内して頂けた。そして今日のお目当ては、会津若松市にある超人気店の「桐屋夢見亭」、地酒と「飯豊権現蕎麦」でこの度の探蕎の旅を締めた。

6.五度目のみちのく蕎麦ツアー 平成21年 (2009) 10月23日〜25日
 ツアー前に発起人でもあった波田野会長と松原顧問を亡くしての旅。参加したのは、初回から連続参加の久保夫妻、小塩、松田と私と、寺田新会長と和泉夫妻の8名である。これまでの最少行となった。
第1日 10月23日 (金)
 参加者8人とて、久保さんと和泉さん運転の車2台で出かける。早朝に金沢を発ち、「しらかた隠れそば屋の里」の「酒・そば工房 さんご」へ着いたのはお昼過ぎ、関所のような大きな門を車で潜る。蕎麦前は「笑酒招福」なるオリジナル酒、そばは生粉打ちの「もりそば」、久保さんの評は良かった。それで何故「さんご」なのかを訊ねると、珊瑚ではなく、先祖の三五郎さん由来だった。辞して米沢市の高畠ワイナリーに立ち寄り、その後以前宿泊した白布温泉の更に奥にある天元台下の標高1120mにある新高湯温泉の奥白布「吾妻屋旅館」に入る。露天風呂の滝見の湯や大岩の湯など、秀逸だった。ところで当初は久保さんの奥さんが熱望されていた姥湯温泉の桝形屋は申込み時にはもう満室、急遽前田事務局長の機転で新高湯温泉に変更になったとのことだったが、でも素晴らしい宿だった。
第2日 10月24日 (土)
 朝一旦白布温泉まで下り、白布峠を越えて裏磐梯の桧原湖に出る。山々一帯は紅黄葉、満喫した。更に南下して磐梯町へ、この日のお目当ては「ラ・ネージュ (ゆき)」という白いペンション風のレストラン。場所は町の中心部、時は11時少し前、まだ人影がなく、近くの資料館へ出かける。しかし開店前10分に戻るともう長蛇の列、でもどうやら定員すれすれながら全員入ることができた。私は「かけそば」を貰ったが、コシもしっかりした細打ち、よくぞ選んで頂けたという店だった。今宵の宿は一度は行きたいと思っていた檜枝岐村の尾瀬檜枝岐温泉、福島県のど真ん中から南西の端まで車を走らせた。でも着いた檜枝岐村の雰囲気は鄙びた雰囲気ではなく、一見温泉街と見紛う雰囲気、本当に驚いた。宿の「旅館ひのえまた」は5階建てのビルだった。夕食は「裁ちそば」付きの「山人料理」、舞茸の骨酒?まで飲んで、山間の酒と食を堪能した。
第3日 10月25日 (日)
 早朝村内を散策する。中心部を外れればまだまだ鄙びている。今日の目的地は新潟県の小千谷市、一旦北上して只見町の田子倉ダム湖へ出て、そこから六十里越を越えて新潟県魚沼市へ、車窓に越後三山を見る。昼少し前に「わたや」平沢店に着いた。ここは「へぎそば」オンリーの店。つなぎに海藻の「ふのり」を使った独特のツルリとした食感、それが「へぎ」という折敷に入って出てくる。一度は味わっておきたいそばだ。

 こうして久保さん先導の5回に及ぶ「みちのく蕎麦行」は終焉した。楽しい旅と食、まことにありがとうございました。

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