2015年10月28日水曜日

道東への金婚記念旅行(その1)

1.まえがき
 私たちが結婚したのは昭和 40 年5月、今年は昭和に換算すると 90 年、結婚後 50 年にあたる。それで何処かへ出かけようということになったが、家内は私に任せるという。これまで私たち独自で案を出し企画したのは、私が退職したときに、九州と瀬戸内を巡った1回きりで、何とも心もとない。それで家内が勤務する医院に、よく国内にも海外にも旅行する白山市在住の女の方がいて、その方がよく利用するエージェントを家内が紹介してもらった。私は何となく北海道へ行きたくて、その方面のパンフレットを所望した。ポイントは旭山動物園と知床五湖、北海道には十数回行っているが、この2カ所はまだ行ったことがない。家内が持ってきてくれたのは近畿日本ツーリスト個人旅行のパンフレット、その中で「道東パノラマ周遊4日間」というのが比較的希望に合致していた。それで最小催行人員2名で、40 日以前申込みが条件となるツアーは、10 月1日〜4日ということになった。
 もっと早くに申し込めば、出発日を調整できたのだが、遅きに失した。家内はこの時期は寒さが心配だという。平均気温は 15℃とかだ。私はそれよりも集合が新千歳空港の近畿日本ツーリストのブース、小松から羽田乗り継ぎで新千歳に向かうのだが、乗り継ぎがスムースに行くかどうかが心配だった。また、それにも増して、台風 21 号は中国大陸で熱帯低気圧になったものの、北方の寒気の影響で 10 月2〜3日には急速に発達して爆弾低気圧となり、北海道では大荒れの天気になるとのこと。旅行会社に訊くと、10 月1日はとにかく航空機は平常通り運行しますという。もう行くしかないという覚悟だった。
2.初日 10月1日
 小松ー羽田ー新千歳 (空港) ー 旭山動物園 ー 層雲峡温泉 (泊)
 家を午前6時に出る。フライトは7: 50 発の日航機、手荷物を新千歳まで預け、機上の人となる。天気は高曇り。上昇の途中、白山の南を通る時に、南竜ヶ馬場の赤い山小屋の屋根が見えた。でも下界が見えたのはここまで、後は雲の中か雲の上、羽田に着く寸前に相模灘と東京湾が見えたっきり。次の新千歳への乗り継ぎに要する時間は 35 分、初めてで緊張したが、難なく乗り継ぎできた。しかし座席は中央、何故か東北の空は晴れていたが、下界を望むことは叶わなかった。新千歳には定刻の 11:00 に着いた。手荷物を受け取り、近畿日本ツーリストのブースに行く。ここで添乗員の方と対面した。先週は金沢にいたとか、全国を飛び回っているという感じ、今日から4日間お世話になる。誰も居ないので訊くと、もう1組いて、ここからバスに乗るのは2組4人とか、これから行く旭山動物園で5組 10 人が乗車し、このツアーは7組 14 人とか、何ともゆったりした旅だ。天候は晴れ、風が少しある。嵐の前の静けさなのだろうか。天気予報では低気圧は猛烈に発達して、中心気圧は 942 hP とか。猛烈だ。
 やがて着いた大型バスに乗り込む。ガイドさんは年配のベテランガイド、さすがキャリアがあり、澱みない案内に感心させられる。帰りの別れ際に訊いたら、ガイド歴 40 年とかだった。バスは一路道央自動車道を旭川へと向かう。道路の両側には薄紫の花が咲き乱れている。ガイドさんではエゾノコンギクとユウガギクだという。そしてナナカマド、今は真っ赤な実をたわわに付けている。母の姉妹が住んでいる札幌、母の故郷の奈井江を過ぎると、右手遠くに真っ白な大雪山系が見えてくる。右端の最も高い三角に尖った山が旭岳 (2291m) とか、乗車3時間で旭川に着いた。お目当ての旭山動物園は市の東郊外の山手にある。何故旭川にあって旭山なのかと訊くと、旭山という土地に開設したからとかだった。
 正門、次いで西門を過ごして、高台にある東門へ、団体専用とかだった。添乗員の方の説明では、先ず山を下って西門へ行き、順に見ながら山を上るように見て歩くのがベターだとか。ここでの鑑賞時間は 90 分、全部を観るのは困難だ。初めに「ペンギン館」。キング、フンボルト、ジェンツー、イワトビの4種のペンギン、水中を泳ぐ様をアクリルトンネル内から観察、颯爽とした泳ぎに目を見張った。皇帝ペンギンは悠揚としていた。ペンギンと家内とツーショット。次いで「あざらし館」、透明な水槽の中を優雅に泳いでいた。次に「ほっきょくぐま館」、さすがに大きくて悠揚として歩く。ペアで一匹が巨大なプールにダイブ、迫力がある。そして「もうじゅう館」、アムールトラ、ライオン、クロヒョウがそれぞれのケージに鎮座していた。エゾヒグマはうろうろと徘徊、アムールヒョウやユキヒョウは頭の上に迫り出した金網に居るのを見上げた。「オオカミの森」では、岩山や小川のある囲いの中を群れをなして徘徊しているのを観ることができた。「エゾシカの森」の脇を抜け、「タンチョウ舍」へ、初めて丹頂鶴二羽を間近に観た。「両生類・爬虫類舍」を抜けて、「北海道産動物舎」へ。哺乳類では、キタキツネ、エゾタヌキ、アライグマほか4種、鳥類では、エゾフクロウ、ワシミミズク、オオワシ、オジロワシなどは初めて観察できた。ほかにも本州でも観られる鳥も十種以上、大きな高いケージに放たれていた。次いで「チンパンジーの森」と「ちんぱんじー館」、幼獣だろうか、ロープや鉄柱を使ってアクロバットに遊び回っている。飽きず眺める。よくぞ落下しないものだと感心する。この後にも数舍を巡り東門へ戻った。アイデア一杯の展示は実に楽しかった。念願が叶った。
 再びバスの人となり、後は今宵の宿の層雲峡温泉へ行くのみ。今宵の宿は「ホテル大雪」とか。道が石狩川沿いに進むようになると、やがて両岸には柱状節理の岸壁が続くようになり、ガイドさんがその一つ一つの名前と謂われを話してくれた。その博識さに舌を巻いた。天候が心配されたが、上々の天気。宿ではゆっくり湯に浸り寛いだ。夜になり少し風が出てきた。

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