2015年10月28日水曜日

道東への金婚記念旅行(その2)

3.2日目 10月2日
 層雲峡温泉 ー 銀河・流星の滝 ー 道の駅おんねゆ温泉・北の大地の山の水族館 ー 網走かに本陣友愛荘 (三大がに料理昼食) ー オホーツクバザール ー 道の駅うとろ・知床世界遺産センター ー 知床峠 ー 知床ウトロ温泉 (泊)
 泊まったホテル大雪は高台にあり、石狩川に沿った温泉街を見下ろす位置にある。昨晩はホテル7階にある露天風呂 (大雪乃湯) に入ったが、周囲の景観を眺めながらゆったりと過ごした。朝起きて外を見ると、木々が少し揺れてはいるいるものの、空は晴れていて台風なみの低気圧はどうなっているのかなあと思わせた。ただ雲の流れは早くて、上空は風が強いように思えた。天気が良ければ大雪山系の一峰の黒岳へ行く予定だったが、強風のため中止になった。それで大雪山荘の露天風呂 (天華の湯) へ行ったが、風は次第に強くなるようで、雲行きも怪しげになってきた。朝食はバイキング、広くて川や対岸の崖を見渡せる総ガラス張りのレストランだが、食事中にとうとう雨が降り出した。今日の行程が心配だ。
 出発は 8:20、その頃には土砂降りで横殴りの風、バスを玄関に横付けにしてくれた。バスは宿から大雪国道を石狩川上流に向かって走る。猛烈な雨だ。左岸に聳える崖から、日本の滝百選に選定されている豪快な落差 90m の流星の滝 (雄滝) と優雅な落差 120m の銀河の滝 (女滝) が望める。雨の所為で水量は多く、実に豪快。以前に滝の対岸の双瀑台から両方の滝を同時に眺めたが、下からは個々にしか観ることが出来ない。天候が良ければ、男滝で下りて女滝まで歩く予定だったが、土砂降りではどうにもならない。でも一旦バスは女滝の駐車場で停まった。雨風の中、完全武装でバスを降りて観に行った方がいた。
 バスは更に上流へ、大函という名勝があるが、説明だけで通り過ぎた。右手に大雪ダムが見え、やがて源流の石北峠 (1040m) へ、この頃になると雨は小康状態、日が射し、反対側には大きな虹がかかった。この辺りは落葉樹のダケカンバもあるが、それより針葉樹のエゾマツやトドマツが多い。ガイドさんから両方の樹形の違いを教わった。峠を過ぎると道路の名称は北見国道に、山を下りて温根湯にある道の駅おんねゆ温泉へ、ここには山の水族館がある。この時間、晴れてはいるが、風が物凄い。
 バスから 50m ばかり離れている山の水族館に辿り着くのには、風で四苦八苦だった。着いた水族館は小さいながら実に素晴らしかった。此処では温根湯の地下水と温泉水で、北の川にいる魚と熱帯淡水魚とが飼育されている。圧巻は幻の淡水魚といわれるイトウ、体長1mを越えるのが約 40 匹、初めて目のあたりにした。また滝壺を模した水槽を見上げられる水槽では、ヤマメだろうか、滝壺の中で群がっている生態を観ることが出来た。ほかにも北海道の川や湖に棲息する多くの生き物を観ることができた。また、アフリカの湖、東南アジアの川、アマゾンに棲息している魚の展示もあった。また手の角質を食べてくれるドクターフィッシュも人気があった。
 バスは北見の街を抜けて網走へ、そして博物館網走監獄の近くの高台にある昼食所へ。この間ガイドさんからは囚人がどれだけ北海道開拓、とりわけ原野の開拓や道路の建設に寄与したかを話してくれた。昼食での蟹料理、タラバ、ズワイ、ケガニと一見豪華だが、食べるのに随分苦労した。身離れが悪く、茹でてから随分時間が経っている代物とみた。次いでオホーツクバザール、生け簀に大きなタラバガニやケガニ、ズワイガニなら見たことはあるが、これは圧巻だった。北海道の海産物なら何でも揃うといった大きな施設、台湾からの観光客の一団がまとめ買いをするのを目のあたりにした。生きたタラバガニを買っていたが、どうするのだろう。
 バスは原生花園の脇を走る。今は花は見られない。正面左手には、白波の立つ大荒れのオホーツクの海を挟んで、羅臼岳 (1660m) を盟主とする知床の山々が望め、右手には端正な三角錐の斜里岳 (1545m)が見えている。10km にも及ぶ直線道路を通り知床へ向かう。午後3時近く、バスはウトロの街へ入る。当初の予定ならば、知床クルーズ (硫黄山コース) が予定されていたが、海は大荒れで出航できないとか、それで明日行く予定になっていた知床峠へ今日向かうことになった。バスは明日見学することになっているオシンコシンの滝を通り過ぎ、トイレ休憩も兼ねて道の駅うとろ・シリエトクへ、ガイドさんでは、道の駅もさることながら、ぜひ隣接する知床世界遺産センターへ寄って下さいという。でも道の駅は大勢の観光客で賑わっているけれど、センターへの入場者は少ない。道の駅も大きいが、センターもかなり広く、知床の自然に関する豊富な資料が沢山展示されていて、これが無料で入館できるのだから素晴らしい。近くにオロンコ岩が立っている。
 道の駅から山手に入り、ホロベツ川を渡って国立公園内へ、そして峠へと向かう。この知床横断道路は、西海岸のウトロから知床峠 (740m) へ上り、東海岸の羅臼へと下っている。高度が上がるにつれ、ウトロ港や奇岩が続く海岸、さらには高台にあるホテル群を俯瞰できるようになる。眼下には鮭が遡上するというイワウベツ川が見え、この奥には「ホテル地の涯」という秘湯があるという。急カーブが連続し、高度が上がると、やがて眼前に羅臼岳 (1660m) がドーンと見え、間もなくして峠に着いた。風は凄く強くて、飛ばされそうだ。でも風の所為か、空は晴れ、空気は澄んで遠望がきき、国後島が実に間近に、ガイドさんもこんなにはっきり見えることは少ないという。遠く国後島の最高峰の爺爺 (チャチャ) 岳 (1822m) もはっきり見えた。日本の領土とはいえ、ロシアに実効支配されているのは残念だ。知床はアイヌ語では「地の果て」を意味するという。
 帰りのバスで、ガイドさんから「しれとこ100平方メートル運動」の話を聞いた。知床の開発の危機を救おうと、取得した土地で森づくりが行なわれているという。バスは一旦ウトロの町へ下った後、ホテル群がある高台へ。この高台でボーリングしたところ、温泉が湧き出たとか。宿泊費に割り増しのないグループの宿は、「知床プリンスホテル 風なみ季」だった。

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