2015年10月28日水曜日

道東への金婚記念旅行(その3)

4.3日目 10月3日
 知床ウトロ温泉 ー 知床五湖散策 (一湖展望台) ー 知床自然センター ー オシンコシンの滝 ー 硫黄山 ー    摩周湖 ー 車内昼食 (摩周のぽっぽの豚丼) ー 釧網本線 塘路駅〜釧路駅 (ノロッコ号) ー 釧路市内車窓観光 ー 阿寒湖畔温泉 (泊)
 朝起きて海に面した窓から外を見ると、大変視界が良く、遠くオホーツクの海の彼方に宗谷岬と思しき岬が見えていた。海は一見穏やかで、今日は知床岬クルーズが可能なように思えた。しかし添乗員からのメッセージでは、うねりが4m と凄くて欠航とのことだった。今回のツアーの方達は初めての方が多く期待されていたようだったが、私たちは以前に経験していたこともあり、それ程のダメージは感じなかった。その代わりとして知床自然センターへ寄ることにしたという。今朝の出発は午前8時、でもバスが来て乗ったのは2組のみ、他の割り増し組は近くの知床第一ホテルが宿だった。
 宿から一旦ウトロの町に下り、昨日と同じようにホロベツ川を渡って国立公園内に、そして知床横断道路を知床自然センターまで往き、そこから知床五湖へと向かう。分岐地点から9km という。センターから 15 分で知床五湖の駐車場に着いた。羅臼の山並みが美しい。ここでの今日の散策時間は 40 分、そして今日の散策は一湖までの往復のみ、片道約 800m で、高架木道の上を歩く。木道の高さは2〜5m、ヒグマが侵入しないように電気柵が設けられている。これじゃ木道から落ちたらとても上がれないのでは。木道の終点には湖畔展望台があり、羅臼連山が湖に影を落としている。連山は右から主峰の羅臼岳 (1661m)、左へ三ツ峰 (1509m)、サシルイ岳 (1564m)、オッカバケ岳 (1462m)、そして硫黄山 (1562m)、遠く知床岳 (1254m) も見渡せた。正に絶景ポイントである。沢山の人が来ている。木道の帰りに途中にあったオコツク展望台と連山展望台へ寄った。展望台ごとに記念写真を撮った。本来ならば五湖全てを巡りたいのだが、現在はレクチャーを受けてからでないと巡ることは出来ないとかである。でももう訪れることはなかろう。
 バスで知床自然センターへ戻る。ここは斜里町と羅臼町が設立した公益財団法人が管理運営していて、常駐しているスタッフが知床についていろいろと教えてくれる施設となっている。私たちは幅が 20m、高さが 12m の大きなスクリーンに映し出される知床の四季の自然と上空からの空撮俯瞰映像を観た。凡そ 30 分ばかり、でもこれは有料で事前に申し込まねばならないとかだった。ここでは資料の展示はむしろ少なく、もっぱら調査や情報提供やレクチャーが主だとのことだった。
 ウトロの町に戻り、オシンコシンの滝へ向かう。滝は駐車場からも見える。日本の滝百選に入っていて、滝は岩肌を二手に分かれて流れ落ちていて、双美の滝とも呼ばれているとか。沢山の観光客が来ている。滝の近くまで階段があり、豪快に流れ落ちる滝を正面から眺められる。さぞや雪解けの頃は水量も多く、圧倒されるのではなかろうか。辺りには大きな太い茎の蕗が群生していた。
 バスは海岸を離れ、端正な三角錐の斜里岳 (1547m) の山裾を北から西へと回り、川湯温泉を経て硫黄山に向かう。この国道からは、釧路湿原を潤す釧路川の源となる屈斜路湖を眼下に観ることができる。硫黄山は標高 512m の活火山で、駐車場から見ると、あちこちの噴気孔から硫黄臭の強い白煙がもうもうと立ち上っている。殺伐とした荒涼たる風景が広がる。
 国道を南下すると、硫黄山の裏側にある爆裂火口が見えた。この道路は屈斜路湖と摩周湖の間の背を南北に通っている。途中で左に折れて摩周湖に向かう。この湖は流れ込む川がないカルデラ湖で、周りは外輪山の険しい崖に囲まれていて深く、また霧の摩周湖といわれるように、晴れて全貌が見られることは少ないという。でもこの日は強風のせいもあって、第一展望台に着くと、青い空に青い湖面、中央に神になった老婆という意味のカムイシュ島、右手に神の山という摩周岳=カムイヌプリ (857m) が見え、遠くには斜里岳も見えている。ここで初めて集合写真を撮った。30 分ばかり滞在し、遅い昼食はバスの中で摂った。
 国道へ戻る。この国道は釧網本線と並行していて、屈斜路湖から流れ出る釧路川に沿っている。バスは南下を続け、午後3時近くに塘路駅に着いた。ここからノロッコ号という緑色のジーゼル機関車牽引の5両連結の列車に乗り込む。乗車時間は 50 分、進行方向右手には常に釧路湿原や釧路川を望むことができ、本格的なカメラマンと思しき人も乗り合わせていた。湿原には野生のタンチョウヅルも見えた。列車には売店があり、地ビールを飲みながら、のんびりとした一時を過ごした。私も家内も釧路の街は初見参である。道東の中核都市だ。
 釧路駅で下車し、再びバスへ。釧路の市街を抜け、まりも国道を北上し、一路阿寒湖温泉へ向かう。摩周から阿寒湖まではコップの口の距離 (36km)、それを摩周からはるばるコップの底の釧路まで 67km南下し、底を 18km 横断し、再びコップの口の阿寒湖まで 58km、延々とぐるりと廻った感じだ。宿のあかん悠久の里「鶴雅」に着いたのは午後5時近く、温泉に入ってから夕食をと思ったが、5時半から食事とのことで、入浴は後にした。お目当ての8階の展望風呂は男女相互入替えのため、明朝のお楽しみということに。


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