2013年5月2日木曜日

四度目の満山荘〔次日:豪商の館と善光寺〕

 4月29日(月・祝)、朝4時半に目覚め、交替になった檜風呂へ行く。まだ誰もいない。露天風呂は程よい温かさ加減で、どれだけ浸かっていても逆上せることはない。今朝もこの時間は快晴、山並みがきれいだ。今日の日の出は5時少し前、日の出で山並みが紅く染まるのを見るため、一旦部屋へ戻る。5時頃北アルプスの山並みの北の方の白馬辺りからほんのり紅くなり、それが次第に南の方へ移動して行く。真っ白な山並みがほんのり薄紅色に染まっていくのは何とも風情がある。その山々の様子をカメラに収める。この北から染まるというのは、北の方(白馬岳)が朝日に近くて、南の方(奥穂高岳)が遠いことに起因しているのだろうか。中天には十八夜の月、この時東から西へ飛行機雲が、天気は下り坂のようだ。6時近くもう一度露天風呂へ。イワツバメが繁く舞っている。見ると露天風呂の上に集団営巣していて、雛の声が実にかしましい。糞が落ちないように、大きな受け板が置かれている。しょっちゅう出入りしている。
 朝食は8時からバイキング方式。この前は2組のみだったのでセット、分量が多くて平らげるのに四苦八苦したが、今朝は程よい分量で済ませられた。魚も肉も野菜も果物も牛乳もジュースも素材の質がよく、満足できた。その後部屋で寛ぎ、今日は須坂へ下りて豪商の館の田中本家へ寄り、それから善光寺近くの蕎麦屋で昼食、その後善光寺へお参りすることにする。
 満山荘を出て山道を下り、松川渓谷へ。天気は薄曇り、昨日寄った雷滝を過ぎ、その下流にある八滝を見ようと駐車し、展望台へ上がる。対岸の山にかなりの落差で落ちる八滝が望める。次いでナビを入れ、須坂市穀町にある田中本家博物館へ向かう。道路を挟んだ駐車場に車を停め、中へ入る。
 この屋敷の敷地はは約100m四方、それを20もの土蔵が城壁のように敷地を取り囲み、さながら要塞のような構えである。屋敷内には、春、夏、秋という三庭園を囲んで、客殿や主屋などの建物が軒を連ねていて、現在は全体が博物館として保存されている。順路に従って回る。展示館ではこの時期「田中本家のおしゃれ・西洋のおしゃれ」というテーマで、歴代の女性の着物と西洋のドレスが展示されている。ほかにも田中家で代々使用されてきた品々(衣装、漆器、陶磁器、玩具、文書等々)が常設展示されている。折しもここでは名物の枝垂れ桜が満開だった。路地を抜け、秋の庭(大庭)へ出る。路地では丁度桜色の着物を着た女性がモデルで撮影をしていた。大庭は池泉廻遊式庭園となっていて、丁度桜と一輪草が花盛りだった。夏の庭(中庭)へと廻る。ここには沙羅(夏椿)の大木が植わっており、池にはカルガモの番いが泳いでいた。この庭に面した明るい展示室では、この博物館開館20周年を記念しての能面展が開かれていた。そして入口に連なる春の庭(表庭)へ、主に松が植わる庭で、手入れがよく行き届いていた。
 田中本家を出て長野市へ向かう。ナビを善光寺近くの大門町の元屋という蕎麦屋にセットする。国道406号線を通って長野市大門に至る。うっかり小さな交差点を通り過ぎてしまい、かなり大回りして目的の場所へ、運良く車1台分のスペースが空いていて停める。店へ行くと大勢の客が待っている。暫くして分かったことは、どうも満員で中へ入れないらしいこと、とっさに思い出したのは信濃町の若月のこと、長時間寒い中待たされた挙げ句に不味いそば、その二の舞になるのではと心配になる。30分近く待ったろうか、やっと中へ、店はごった返している。二階へ案内される。4人座れる座机が6脚、一階と会わせて50人近く入れそうだ。家内らは「もり」を、私は「おろし」を頼む。これだけ混んでいると、注文してから出てくるまで随分時間がかかる。漸くという感じでそばが、でもこの二八はまあまあだったのが救いだった。善光寺門前には沢山の蕎麦屋があるが、この元屋のように混雑していそうな店は見当たらなかった。
 車を有料駐車場に移し、善光寺へ。表参道から石畳の参道を通り仁王門に至る。左手には浄土宗の大本山の大本願、さらに仲見世通りを通って山門(三門)へ、左手には天台宗の本坊の大勧進、山門には「善光寺」の額が掲げられている。本堂前の大香炉に線香を焼べる。本堂に上がり、入口の賽銭箱に賽銭を入れようとしたら、ここは神社ではないので、中の仏様の前の賽銭箱に入れて下さいと、外のは中へ入れない時のためだと、知らなかった。お参りし、内陣へは上がらずに、御朱印を頂いた後、大本願に隣接する善光寺外苑の「西之門」へ向かう。ここは吟醸酒西之門と善光寺味噌の醸造元、その蔵元直売店の「よしのや」で吟醸酒を求める。千円以上の買い物で有料駐車場の無料券が貰えるのもお目当てだ。
 これで今度の旅行も大団円、午前に辿った道を逆に須坂へ戻り、須坂長野東ICから高速道へ、一旦有磯海SAで休憩し、森本ICで高速道を下り、この旅を終えた。走行キロ数は570kmだった。

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