2017年5月2日火曜日

春の「やまぎし」

 家内は中の湯温泉の宿で、妙齢の女性に「やまぎし」の田舎粗挽きを吹聴していたが、実は家内はこれまでまだ食したことはなく、それで一度ぜひ食べたいという。それで4月29日の祝日に出かけることにした。10時半には開いているので、1時間前の9時半に家を出た。良く晴れていて暖かい。道が空いていたせいもあって、40分ばかりで着いた。すると家の道路脇には数台の乗用車、もうお客がと訝って中へ入ると、それは山岸さんの関係の方のものだった。駐車場に車を停めて玄関に入ると、もう少しお待ち下さいとのこと、早くてまだ券売機も作動していなかった。中で休ませてもらうことにして家に入ると、中はすっかり模様替えされていた。訊くとここでコンサートを開くことになり改装したとかだった。畳敷きの二間は板張りに、新しく白木の2脚の座机、外のベランダにも1脚のテーブルと2脚の椅子、板張りも座机も山岸さんの自作、素晴らしく器用だ。これでざっと33人は入れよう。
 券売機が稼働し、「田舎粗挽き」「天ぷら」「礫焼き」を各2人前、飲み物は家内はノンアルコール、私はいつもの財宝(薩摩芋焼酎)を2杯頂くことに。今日はいつもの常任3人に妹さんの娘さんが助っ人。今日は天気が良いので外で食事されたらと言われ、簀の子のベランダ(もちろん手製)へ。辺りには山吹が咲き、キケマンが咲き乱れ、向かいに見える鷲走ヶ岳へと続く山並みの中腹には、ところどころ白い芽吹きのように見えているのはスダジイの花だろうか。この場所で食するのは初めてだ。まだ早くて「そば」は出来ないが、飲み物が先に届いた。山の清涼な空気を吸っての一服は実に清々しい。そしてややあって「田舎粗挽き」の登場、私は蕎麦汁をつけて食べることもさることながら、淡桃色をした岩塩をまぶしても食べ、家内にも推奨した。家内は一口食べて、ほかの「田舎」や「白」にはない独特の味わいに感動したという。それに野外にも似た場の雰囲気が、さらにより感動を高めたような気がする。天ぷらも美味しかった。地元の十種の野菜にタラの芽とコシアブラ、量は少しづつだったが、美味しく満喫した。
 食事が終わりに近くなって、一人の御仁が来られ、簀の子に直に座られ、お酒を飲みながら共に談笑した。山岸さんの友人とか。コシアブラは大木になると木の芽が採りにくくなるので、ある高さで伐った方がよく、それでこの時期山に来ているとか。いつか探蕎会で東北の白布温泉へ行った時に見たコシアブラの喬木を思い起こした。水と縁が深いとも話された。またここから見上げる山にも時々出かけるとか、昔植林に際して開いた山道があり、鷲走ヶ岳へと続く尾根に登ることができるとも。お陰で楽しい時間を過ごすことができた。
 今年の4月18日付けの北國新聞の「白山百人百様」という欄にそば職人「山岸 隆」さんの紹介があった。繁盛していた金沢駅近くで8年間開いていた店を閉めて、故郷の白山市左礫の生家で開業した経緯が書かれていた。これまで私は書かなかったが、山岸さんは元石川県警察本部刑事部長だったと記されていた。左礫での開業は2016年3月である。

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