1.はじめに
昨年暮れに行なわれた世話人会での行事予定では、3月は20日金曜日に能登押水にあるそば屋へということになっていた。ところで、1週間後に平成27年の探蕎会総会を控えた2月16日の事務局からのメールでのプログラムの案内原稿では、場所はまだ「未定」とあって少々心配だった。するとその日、事務局長の前田さんから電話があり、件のそば屋について世話人の塚野さんに尋ねたところ、のと里山海道の今浜インター近くにある「あい物」というそば屋とのこと、そこで予め訪れてみたいがどうかとの打診があった。訪ねるのは2月17日の火曜日、私はこの日午前10時以降ならフリーなので OK した。他の方にも打診されたらしいが、結果としては前田さんと私の二人だけで訪ねることになった。前田さんの車で出かける。
2.「あい物」偵察行
場所は今浜インターのすぐ近くとのこと、しかも幟が出ているのですぐ分かるとのことであったが、あまりにもインターに近くて見落としたものだから、着くまでに随分あちこちうろつく羽目になり、「上杉」の前も通ったりした。でも昼近くにはどうやら着くことができた。
店は大きな自宅の1階を改装した小綺麗な瀟酒な佇まいの構え、店に入る。中の三和土には、4人掛けの机が2脚、カウンターに椅子が5脚、都合13人が入れる。私たちが着いた後にも次々と客が訪れる。この店を知っている人は知っているのだなあと感心する。厨房には3人が、前田さんはご主人を見て、以前金沢市末町にあった「末野倉」においでた方ではないかと、訊ねたところ正にその通りだった。そこには10年おいでたとか。私が店名の「あい物」の由来を訊くと、前田さんは苗字だと、「四十物」と書いて「あいもの」と読むとか、そう言えばそのような苗字を聞いたことがある。ここで開店して10年になるという。
注文は、前田さんは「高遠おろし」、私も追随する。お酒の欄を見ると、久保田の千寿と百寿が、千寿を注文、摘みには「天ぷら」と「そばみそ」を注文する。程なくお酒が、久しぶりの千寿、付き出しには胡瓜と人参の浅漬け。前田さんには申し訳なかった。天ぷらは海老と蕗の薹が各2、あと南瓜、甘藷と大葉。蕗の薹は近くで摘んできたものとか、菊の花弁状に開いて揚げてあったのは新鮮だった。抹茶塩で頂いた。そして「高遠おろし」、お盆に縁が黒っぽい中皿にやや多めに盛られた中細の二八のそば、コップには辛味大根のおろし汁、それにそば汁とそば猪口と薬味 (刻み葱と生山葵) 。そばは丸抜き、コシもあって、喉越しも上々、これだと皆さんにも十分喜んでもらえそうだ。前田さんの言だと器はみな珠洲焼なのではとのこと、なかなかシックでよくマッチしている。そうこうするうちにまた客が、するとご主人、「少し待って下さい、今すぐそばを打ちますから」と。そしてそばを打ち出したではないか。数人分なら15分もあれば、打って、切って、茹でて、冷水で締めて供せるのではと思う。正にそば職人の自負が伺える姿を見た。その後も客が、すると奥の部屋へどうぞとのこと。奥さんに訊くと、奥には10人入れる畳敷きの部屋があるとか、探蕎会でもし10人入ったら貸切りになるのではと危惧していたが、これだと安心だ。
2015年3月25日水曜日
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