2014年2月11日火曜日

突然カアチャンが急性の下痢症に

 全国でノロウイルスが大暴れしている。静岡県浜松市では、広域にわたり、十数校の学校で食中毒が発生した。どうしてこんなに広域でしかも同時に発生したのか、これは通常の食中毒とは明らかに様相が異なっていた。疫学調査の結果、同時に起きたということ、学校給食に出された給食パンが唯一共通食だということが大きなキーだった。その後の調査で、給食パンを製造していた会社の従業員の中に、下痢をしている人がいることが分かり、この人が汚染源となって起きた大規模なノロウイルスによる食中毒であったことが判明した。それにしても十数校もの学校で、患者がほぼ同時に多発したのには驚いた。ノロウイルスは 80 数℃の温度で不活化するのに、何時どんな風に付着して運ばれたのだろうか。
 ところで介護施設などでノロウイルスによる下痢症患者が発生した時には、下痢便や吐物の中には夥しい数のノロウイルスがいるので、不完全な処理をすると、途端に施設全体にウイルス汚染が拡大し、大発生となることが往々にして起きている。今は保健所などが躍起となって注意を喚起しているので、前程大きな発生は少なくなってはいるものの、それでも冬季には大なり小なり、毎年発生が繰り返されている。今のところ、ノロウイルスに対する特効薬はまだなく、予防が第一であり、とどのつまり、先ずは口からノロウイルスを入れないことが肝要で、一つには手洗いの勤行、そして食べ物はなるべく熱を通すこと、また生食の場合には特に気を配ることが必要となってくる。
 とは言っても、我が家では、私も家内も、食に特別気を配っているかというと、無関心ではないにしろ、決して傍から見て決して徳に注意しているとは思えない。時に、私の家内は市内のとある病院に勤務している。病院なので、この時期、インフルエンザの患者や冬季急性下痢症の患者が多数治療に訪れる。それで中には勤務している看護職員が、注意はされているのだろうが、時に感染して発症することがあるという。私も家内からそのことを聞き及んでいた。しかし、家内は病院事務を主務としているので、患者と直接接することは極めて少なく、そのような心配はほとんどないと思っていた。
 ところがある日、家内が突然病院から早退してきた。どうしたのかと訊くと、下痢が頻繁に起きるので帰ってきたという。家へ帰ってきて10分に一度はトイレへ行く始末。私はこれまでこんなにひっきりなしに、ずっとトイレに居た方がいいというような状態の下痢には遭遇したことはなく、暗にこれが今流行の冬季急性下痢症の症状なのかと納得した。痛みはないようだが、とにかく排便の回数がすごく多い。横になって寝てもすぐに起きねばならない始末、半日ばかりは大変なようだった。脱水症状を起こしかねないこともあって、当然体液組成成分の入った緩衝液を補充しないといけない。
 さて、家内は後日の検査でノロウイルス感染症は否定されたが、この時期、あの下痢の頻繁さからは当然ノロウイルス感染症が疑われた。咄嗟に困ったのは、着衣や使用したタオル等をどう処理するかということで、単純には熱湯消毒するとか、次亜塩素酸ナトリウム液で消毒するとかだが、これは言うに易く、行なうに難しで、これには往生した。それで思案の末、自動洗濯機に希釈したハイターと洗剤を加えて洗濯することにした。この程度の次亜塩素酸の濃度では気休めとも思えたが、洗濯ではかなりの水での濯ぎがあるので、洗濯物にウイルスが残ることは先ずなかろうと判断した。ただほかには特にドアのノブとか便器などの消毒はしなかった。家内は初日こそ 38℃を超える発熱もあったものの、3日後には下痢も発熱も治まった。発症して2日間ばかりはうどんを食べても吐いてしまい心配したが、それも本復した。ノロウイルスによる感染性下痢症の場合には、高齢者では往々にして死に至ることもあるやに聞いている。

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