探協会後期の行事を決める世話人会には、都合がつかず欠席した。ところでどんな計画になったのか気になっていた。その後連絡が入り、9月は12日に富山県高岡市の「蕎文」という蕎麦屋へ寄り、その後前田家縁の瑞龍寺を訪ねる、10月は15ー16日と群馬県の四万温泉で1泊しての探蕎、11月は例年の如く丸岡蕎麦道場の海道さん宅へ、でも訪ねる日は先方のご都合で12月2日である。
● そば「蕎文」 高岡市下島町 181-1 電話:0766ー25ー2570
この日の参加者は10名、久保副会長は予め訪ねられていて、10名ならばOKとのこと、最終的な集合場所はJR森本駅前 9:30 とのこと、車2台に分乗して落ち合う。久保さんの先導で旧北國街道を高岡市へ、その後店は「おとぎの森公園」近くとかで、とにかくすんなりとではなかったが、どうやら目的の店に着けた。しかしこの店、道路と敷地の境に「蕎文」と彫られた小さな石碑があるばかりで、看板も幟もなく、一見板で囲った砦のよう、もしあの石碑に気付かなければ、この家が「そば屋」だとはとても思えない。入り口の板戸は閉まったまま、案内は一切なく、これでは何時開店なのか皆目分からない。でも開店には少々時間がありそうなので、道を隔てた向こう側にある「坊ちゃんとうふ」という店を覗く。この店はかなりお客の出入りがあり、有名な店なのだろうか、幟も出ている。店には前にも後にも駐車場があり、かなりの台数が停められる。お買い上げの品は、お寺さん拝観後までお預かりしますということで、皆さん買い物をされた。私は後に寄った時に買うことにした。
そろそろ開店ということで蕎文へ、板戸が開けられ、内のガラス戸を抜け、中へ入る。右手には民芸品などが展示即売されている一画がある。手の込んだものが多く、値段もそれ相応だ。左手奥は小上がりになっていて、曲げ板の座机が2脚、4人と2人が座られる。左手前には厚い一枚板のテーブルがあり、10人は掛けることができる。外からの光は厨房のみで、店内では、小上がりの下方に長方形の採光窓があるのみ、特異な空間だ。「そば」は久保さんの方で予め注文されていて、皆さん「あいもり」である。飲み物は個々にお酒とビール、お酒の銘柄は地元の「勝駒」と「立山」、福井の「黒龍」、山形の「出羽桜」など、ビールはエビスのみ。始めに蕎麦茶が、上品な白磁の縦長の湯呑みに出される。
そばは相盛りだが、主人では別々に出すとのこと。始めに「もりそば」を、後に「田舎そば」をと、もし足りなければ追加して下さいとのことだった。蕎麦猪口も白磁、盃も飲み口が絞られた少し大きめのもの、これも白磁、お酒はそれぞれに4銘柄すべてを頼まれた。私は「立山」を注文したが、何故か常温、黒釉の縦長の片口に入ってきた。冷酒はガラス製ほかの片口に、暑い時期には冷たい方が良いのだが。サービスに「板わさ」が出た。そして程なく「もり」が出る。丸い白磁の平皿にこんもりと、色は薄茶色、自然光でないせいなのか、何か変わった印象を受ける。端境期だが、しっかり蕎麦の香りがする。訊けば、玄蕎麦は北海道羊蹄山麓の産とか、そばは外一、程よくしこしことしている。明日からは新そばとか、運が良かったのか悪かったのか、でも出されたそばはひねにしては素晴らしい。やや間を置いて「田舎」、やはり白磁の中皿に盛られている。挽きぐるみだけあって色は濃いが、どちらかというと黒がかっていなくて、褐色が前者よりやや濃いという程度、舌の感触や喉越しには余り差がないように思えた。何人かはそばを追加して、「もり」や「田舎」を追加されていた。また「そばがき」も出た。量は多くはなかったが、一見もちっとした独特な雰囲気を醸し出していた。いつものように「そばぜんざい」を頼まれた人もいた。味や甘さはどうなのだろうか、これはどうも私には天敵である。最後に「そば湯」が出て、お開きになった。
外へ出て、入り口近くで集合写真、シャッターはおカミさんに押してもらう。これから瑞龍寺へ行くというと、ぜひ高岡大仏も見て下さいと言われる。礼を言って、握手をして分かれた。この店、外観もさることながら、個性のある不思議な店というのが偽らざる印象だ。
〔お品書き〕
・そばまえ:たまご焼き、板わさ、そばみそ、セット。他にそばぜんざい。
・そば:田舎、もり(各950円、大1400円)、他に、冷たい辛味大根ぶっかけ(1200円)など。
・お酒:前記4種(550ー750円)、ビール(500円)、焼酎(600円)、ノンアルコール(400円)。
開店したのは平成19年(2007)10月とか。営業時間は、昼は 11:00ー14:30 で、なくなり次第終い。夜は 18:00ー21:00 で、4名以上での予約のみ。定休日は、月曜と火曜。
2012年9月15日土曜日
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