2012年1月12日木曜日

孫との初スキー

次男から正月に一緒にスキーに行こうという誘いを受けた。正月のこのシーズン、例年なら私の古巣の石川県庁のくろゆりスキーくらぶの誘いで志賀高原へ繰り出すのだが、今年は体力の衰えを感じて、参加を見合わせた。通常は金曜の晩に出て、土曜・日曜の全日と休日である月曜の午後2時頃まで滑り、夜に金沢着というスケジュールで、実質2日半のスキー三昧というわけである。費用も昼食とリフト代は別だが、お酒、ワイン、ビール等々お酒類飲み放題で3万円のスキーツアー、毎年楽しみにしていた。ところが昨年は何か体力の衰えを感じ、滑った時間も前年よりも少なく、そろそろ退き時かなあと思ったものだ。事実ここ数年メンバーの中ではずっと私が最年長、それもあって、このシーズンもお誘いを受けたが、辞退することにした。
 家内から私を誘って正月の休みにスキーに行こうと次男一家が楽しみにしているということを聞いて、どうしようかなあと案じたが、時間も空いていることだし、孫たちの付き合いならそんなに負担にもならないだろうと思い、付き合うことにした。家内はというと、スキーは全くの不得手で、足元が動くだけでも怖いというからどうしようもない。だからもし私と行くときは、彼女は読書、私はスキーという段取りで出かけねばならず、それに適した環境のスキー場はというと、八方尾根かアライということになる。さて今回の日取りは1月7日の土曜日、場所は瀬女高原スキー場ということになり、次男が私を午前8時に迎えに来るという。私にとってはこのシーズン初めてのスキーである。昨年は志賀高原の3日間と瀬女高原へ2回行ったきり、しまってあったウェアやスキー道具一式を前日に出した。
 当日は小雪が舞う一日、スキーは短いカービングスキーにする。ウェアに昨年のチケットが残っていたので見ると半日券、昨年も1日持続して滑る体力は持ち合わせていなかったからなのだろう。で今年はというと、できるだけ長い時間滑っていたいとは孫の男の子の弁、小学6年生なのだが、男親に言わすと、少年野球チームに所属していて、しかもエースピッチャー、背はそんなに高くはないが身体は鍛え上げられていて、持久力は抜群だという。だとすると疲れ知らずで、しかもスキーを始めてまだ2年ばかりだとすると面白い盛り、やはり親の弁では瀬女高原のパノラマのロングコースもボーゲンで下まで下るとか、このコースには何ヵ所か30度の斜面があるのにである。往きの車の中での談義では、午後3時半位まで滑って、簡単な食事をして、温泉で汗を流して帰ろうということになった。
 スキー場に着くと、駐車場は第二が7割の入り、6箇所ある駐車場が満車になった時期もあったのに、昨今は本当に少ない。もっとも利用する人にとってはリフト待ちもなく利用勝手がよいのだが、営業としてはどうなのだろうか。当初は小学1年生の孫娘と母親は下のファミリーゲレンデ(1日でも千円とか)で滑るということだったが、滑られるようになると単調なので、慣れたら上の林間コースでということになり、慣れるまで男親が面倒をみることにして、後で皆で合流しようということになった。
 6年生の孫と母親と私が先に上へ上がる。初めに中央のルンルンコースに入る。1年ぶりの感触だ。この日は圧雪車が直前に入っておらず、若干の積雪がある。以前ならこのコースの下までの標高差400mを一気に滑り降りたものだが、今は50mダウンで休まないと足に負担がくる。滑って休んで、また滑るという繰り返し、我ながら情けなくなる。でも孫が下りてくるまで待てるのが救いだった。ところがその後ペアリフトのドキドキコースを終え、孫と二人で臨んだ3本目のルンルンになると、孫が休みなしに滑り降りるのに付いて行くのが精一杯、追いついても瞬時しか休めず、その次のルンルン挑戦では、私はここで待っているから一人で滑っておいでと言って大休止することに。そうこうするうちに皆が揃った。ルンルンコースではくろゆりスキーくらぶのメンバーの一人に出会った。彼は町内会の世話で志賀高原へは出かけられなかった由、この日も正午までとか、華麗な滑りで下っていった。
 昼食後、1年生の長女と母親は林間コースへ、残り3人はドキドキへ、次男の滑りを見たが、上手になっているのに驚いた。またその格好も様になっていて、小さかった頃の滑りしか知らない私にとっては驚きだった。長男坊も疲れ知らず、太刀打ちできない。この後ルンルンとワクワクを滑ったが、もう付いて行くのが精一杯、それで私のみ外れて午後2時半に落ち合うことにして、私は最後のルンルンへ、疲れてしまった。その後落ち合って、パノラマコースを下まで下る。ここは700mの高度差、以前のようなノンストップでの下りは、今では夢のまた夢、考えられない。休みながらの下り、下り終わって皆一緒になる。此処からの出発は3時半、時間があるので長男坊と母親はもう一度パノラマに挑戦、母親はショートスキーでバランスはとりにくいはずなのに端整なきれいな滑り、今日は二度目、羨ましい限りだ。それに引き換え私は耄碌の滑り、75歳がのしかかる。
 帰りに瀬戸野のラーメン屋に寄り簡単な食事をする。白山へ登った帰りには必ずといっていいほど寄った店だ。今は飲酒運転はご法度だが、その昔はここの名物のキンキンに冷えたビールを一本飲んで、すぐ近くの温泉で汗を流して帰宅したものだが、懐かしい思い出だ。でも飲んだら乗るなの規制になってからも、此処での下山時の飲酒なしでの食事は欠かしていない。でもこの日は運転なし、そのキンキンビールにありつけた。私の定番はここの八宝菜、皆さんは焼飯、中華麺、ギョーザ等々。ただ昨年は2回しか白山に来なかった上、二度とも岐阜県の石徹白へ下る予定でいたので、ここへは一度も寄っておらず、2年ぶりということになる。
 次いで瀬波の奥にある白山里温泉へ、雪が積もっている。ここも白山からの下山時の定番の寄り場所、出来て9年になるという。泉質はナトリウム炭酸水素塩・硫酸塩泉、泉温は41.5℃、効能は神経痛、筋肉痛、五十肩、疲労回復などとか、少々ツルツルした感じの温泉である。湯船はそんなに広くはないが、きれいで気持ちがよい。浴場の大きな窓からは、大笠山が源の瀬波川や取り巻く自然林が見渡せ、この時間帯にはライトアップされていて、降り来る雪の片や木々を幻想的に映し出している。お湯も上々、飽きが来ない良い温泉だ。疲れがすうっーととれるような快適な湯だ。
 こうして孫たちとの初スキー行は無事に終わった。帰宅してお酒を飲みながら、改めて今日1日を振り返った。手元にある記録を見ると、平成16年(2004)には15日間、17年(2005)には13日間、18年(2006)には18日間、19年(2007)には7日間、20年(2008)には12日間スキーに行っている。ところが21年(2009)以降は毎年5日間のみ、しかしこのうちの3日間は志賀高原へのスキーツアーだから、今年は2日となるかも知れない。
 そこでもう一つ、今日出かけた瀬女高原スキー場で、過去に累積滑走高度差で1日に10,000m以上滑ったことのある回数を見ると、2004年には2回、05年には1回、06年には3回、08年には1回あり、最もよく滑ったのは2004年3月4日の14,105m、32本の滑りで、パノラマコースに換算してざっと20本ということになる。因みに今日の滑降回数は8本、累積高度差は3,585mだった。往年の4分の1である。衰えが著しいのが一目瞭然と、改めて実感した1日だった。

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