白山市実行委員会、日本ウォーキング協会、北國新聞社が主催するもみじウォークも今年が第6回目、私は第2回から参加しているが、これまでは白山スーパー林道の一部を歩くので、林道が閉鎖される11月10日以降の土日に開催日が設定されてきた。ところが11月中旬以降になると、天候が悪いと時に霙が降ったり、気温が10℃以下になったり、気象条件によっては参加者の健康管理にも問題が生ずることが指摘されていた。またこの時期は、白山麓辺りでの紅葉は適期が過ぎていることが多く、この点も時期を早める要因の一つとなったものと思われる。そういうこともあってか、今年は昨年より3週間早い10月23・24日の土・日になった。もっとも「もみじウォーク」と銘打っている以上、紅葉が一つの条件になるのは言うまでもない。でも開催日は少なくとも5月末までには確定する必要があり、かつうまく紅葉の時期にマッチさせる必要がある。
開催日を10月下旬にしたことでもう一つクリアしなければならないのは、峡谷美が素敵な白山スーパー林道の中宮料金所から姥ヶ滝駐車場間の4.0kmを歩くことである。この区間は蛇谷の中でも特に峡谷美が優れていて(注)、紅葉の季節は特に圧巻である。しかしこの林道は実は自動車専用道路であって、歩行は禁止されている。しかし特別な事情があれば許可されるが、それにしても自動車が通行できる午前8時から午後5時の間の歩行はできない。そこでの苦肉の一策は、午前8時までにこの自動車専用道路から退去するようにすることで、実際のタイムスケジュールでは、中宮料金所出発の姥ヶ滝往復コースでは、受付が午前5時、出発が5時45分、姥ヶ滝駐車場出発の渓谷周遊コース、姥ヶ滝コースでは、受付5時半、出発6時45分で、前者は往復8kmを2時間15分で、後者は下り4kmを1時間15分でクリアしなければならない。この時期の日の出は6時10分頃、受付時はまだ暗い。
初日の市ノ瀬コース(21km)の受付は8時30分、家を7時に出る。国道157号線を南下するがかなりの車、今日のもみじウォークに参加の車かと思ったが、大部分はスーパー林道の方へ行ってしまった。スーパー林道は中腹が今が見頃だろう。受付場所の白峰公民館に着いたのは8時、受付までまだ30分ある。今回は前田さんほか参加の常連は不参加の由、知っている人はいない。白山市在住の50代の男性と話す。白山市に住んでいながら初の参加とか、一寸冷え込んできたので厚着をしてきたというから、歩き出すと熱くなりますよと話す。白山へもまだ登っていないと仰る。私は薄手の登山シャツ一枚のみですと話したら、びっくりしていた。このコースの定員は600人、今回は6月に案内があって、10月1日が申込み締め切りだったが、前田さんの話では10月半ばになって参加勧誘があったと言うし、当日でもまだ受付をしていたから、定員割れしているというな印象を受けた。
受付を済ますと、布製のゼッケンに都道府県と氏名、それに今日明日の歩行距離とメッセージを書くことになっている。メッセージには歳と足を考慮して「お先にどうぞ」と書いた。9時半発の出発地点の百万貫の岩へのバスを待つ間、福島県と埼玉県から参加の男性と女性と一緒になる。お二人とも60代後半、聞くと二人とも日本ウォーキング協会の会員で、全国を股にかけてあちこちのウォーキング大会に参加している。こちらからお願いするまでもなく、お二人はこれまでの軌跡を話され、その印を見せて下さった。埼玉の女性は、協会が選定した「日本の歩きたくなるみち500選」が入っているウォークに積極的に参加しているとのこと。また福島からの男性は、協会が展開している全国1800の自治体とタイアップした「ご当地ウォーク」に熱心に参加していて、この方も全国を股にかけて飛び回っておいでる由、福島県は全市町村をクリア、石川県もすでに3市町をクリアしておいでた。驚くべきバイタリティーだ。お二人とも今日は21kmに挑戦とか、嬉々としておいでだった。移動のバスに乗っては、石川県の協会の方と一緒になった。この方も「ウォーク日本1800」の冊子を持っておいでた。私は協会では20本の指に入る健脚ですとも、立派な体躯、まだ50代か。その方が言うには、協会では会長が最も元気、スロースターターだが、序盤を過ぎるとどんどん前の人を追い抜いて行くとか、これが歩きの骨頂で、素晴らしい快感とのこと、私も会長にあやかった歩きを心掛けているとか、恐れ入った。現に市ノ瀬コースでは、私が付けていたトップグループに彼は居なかったが、10分くらいしたら強烈な力強い歩きで皆をごぼう抜きにしていったのには驚いた。市ノ瀬の折り返しではコースを2番目で折り返していた。法螺ではなかったわけだ。
北國新聞の記事では、初日は3コースに1,100人が参加したという。私が参加した21kmの市ノ瀬コースは定員600人だったが、参加は半数程度だったような印象を受けた。前回では申込み締め切り後での申し込みは断られたと前田さんが話していたが、それからみると参加者は少なくなったようだ。でも初日は天気に恵まれて、爽やかな歩きができた。コースから白山の御前峰が見える場所が3ヵ所あるが、2番目に良く見える場所に「白山眺望の場所〕と撮影箇所を設けてあったが、この行事に合わせて設けたのだろうか。沢山の方がカメラを向けていた。紅葉は色づいている木もあるが、今年の夏は猛暑が長期間続いたこともあって、例年なら盛りなのだろうけれど、1週間は遅れているような感じ、冷え込みが来ないと紅葉は期待できない。
木々の色づきは今一だったが、路傍にはノコンギクや知らない黄色のキク科の花がずっと咲いていた。また驚いたのは、山側に擁壁が施されている場所の下部に、何十米にもわたって可憐なダイモンジソウが群生して咲き誇っていた。車で通っていては目に付かないだろうが、これも歩きの功徳というものだ。(黄色い花はカセンギク・歌仙菊でした)
〔初日のコース概要〕出発地点:百万貫の岩(標高610m)-5.1km-市ノ瀬(790m)ー5.1kmー百万貫の岩(610m)-6.0kmー緑の村(485m)ー4.8km-白峰公民館(445m):ゴール地点。 歩行距離:21.0km 、標高差:345m 、延べ上り:240m 、延べ下り:405m 、出発時間:10:18 、帰着時間:13:17 、所要時間:2:59(この間市ノ瀬でトイレ休憩 0:04)、時速:7.05km 、分速:117.3km 。
前回は市ノ瀬で折り返して百万貫の岩へ戻ってきたときに、ここを出発点とする人たちと合流するような感じになったが、今年は1時間の差もあって誰も居なかった。そこから20分ばかり歩いて11時出発の組の殿に追いついた。協会の世話役の男女二人が私たちが11時組の殿ですと言われる。それでその前を見ると、親子5人が歩いていて、一番小さな子も一丁前にゼッケンを付けて歩いていた。後で参加者の最年少は3歳と聞いたが、きっとあの子だったのではなかろうか。
二日目は姥ヶ滝往復コース(14km)にエントリーしていたが、初日の頑張りで、左足の親指の付け根に腫れが出たこともあり、また受付が午前5時ということもあって、軟弱にもパスすることにした。この日の天候は曇りで、午後は雨模様とか、でも新しく新岩間温泉コース(12km)が設けられたこともあって、新聞社の発表では二日目には1,700人の参加があったとかだった。参加者の最年少は3歳、最高齢は89歳、20都府県から参加があり、地元石川が最多で、次いで富山、福井、兵庫が多く、兵庫からは大型バスでの参加だった。コースは初日3コース(7,11,21km)、二日目5コース(10,12,14,20,30km)だった。
(注)白山スーパー林道の中宮料金所から姥ヶ滝駐車場に至る4kmは蛇谷峡と言われ、V字峡谷と枝谷から落ちる滝と岸壁、それにへばりつくように生えている潅木、それにこの谷を跨ぐ蛇谷大橋からの俯瞰、正に一服の画になる。林道対岸(右岸)には下流から順に、しりたか滝、赤石の滝、岩底の滝、蛇谷大橋を渡ると、かもしか滝(五色滝)、水法の滝(慰ヶ滝)と続く。姥ヶ滝駐車場からは、露天風呂の親谷の湯(ドスの湯)へ下る遊歩道がある。この湯からは対岸(左岸)の正面に日本の滝100選の姥ヶ滝を正面に見ることができる。林道からは駐車場を若干過ぎた地点から見ることができ、奥には小親谷の滝がある。さらに2km遡ると、蛇谷では最も落差の大きいふくべの大滝がある。この区間は通常は歩行禁止で、かつ駐車場のある姥ヶ滝とふくべの大滝以外は車は2,3台しか止められず、もしゆっくりと峡谷美を観賞しようとするならば、この区間を歩くことができるこのような機会を逃すと無理ということになる。
2010年10月28日木曜日
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