上田の街を出て松本街道 (国道 143 号線) を西へ、青木村役場の交差点を左折し、県道 12 号線を南下すると、左に沓掛温泉が見えてくる。IC から約 30 分で着くとある。時間は午後3時近く、チェックインは午後3時と思い暫く待っていると、どうぞと主人が言う。2年ぶりだ。今日は私達1組のみとか、初めての経験だ。記帳して部屋に案内される。部屋は2階の 303 号室、愛称は大天井、トイレ付きのゆったりとした部屋だ。同じ並びには、トイレなしの 301 号室 (薬師) と 302 号室 (烏帽子) がある。愛称はすべて日本アルプスの山の名である。この宿には和室が 13 あり、トイレ付き6、トイレなし7で、定員は 30 名とのことだ。
今日は私達1組だけなので、お風呂の入り口には男湯と女湯の標示がしてありますが、どちらでもお好きなようにお入り下さいとか。私達は初めに、新装なった男湯表示の内湯と野天風呂に入ることにした。内湯は 40 ℃前後に、外湯は 36 ℃前後に調整されていて、両方とも源泉かけ流しである。外の野天風呂は新しく設えたもので、明るく林の中の佇まい、森林浴を兼ねた快適な浴槽だった。外にはねむの木が数本あり、桃色の花が満開、眼下には青木の里が見えている。体温前後の湯加減とあって、正に案内状とおりだった。
夕食は午後6時半、それまで大相撲の名古屋場所の取組みを見て時間を過ごす。長野県出身の御嶽海は全勝、大変な人気だ。石川県出身の遠藤は勝ち、輝は負けた。夕食の時間になり、地下1階の食事処の Food 風土へ行く。食事は私達だけ。テーブルには既に食前酒や前菜、スープや牛乳豆腐が置かれている。主人が注文してあった地元の赤ワインを開けてくれる。外はまだ明るい。外の庭に子猫が3匹と母猫、子猫ははしゃいで跳び回ったり、乳をねだったり、前の満山荘のテラスにはよく狸の番いが現れていたが、中々ユーモラスだったことを思い出す。ここの料理は正に独創的で和洋折衷、でもどちらかというと洋風で、その献立は毎日書いて客に示しておいでだ。料理は奥さんの明子さんが担当、献立表の筆書きは旦那の担当のようだ。食べる前には旦那から料理の説明がある。これは嬉しい。凡そ1時間ばかりかけて食事を済ます。昼の蕎麦がまだお腹に残っているような感じで、本当に満腹になった。献立は次のようだった。
〔信州沓掛 夏の献立〕
「食前酒」 枸杞酒
「生湯葉」 クコ柚子胡椒
「信州サーモンのコンフィー」 塩糀 蕨ヤングリーフ シーサラダ
「地物野菜他とピクルスなど」 ビーツとパプリカのソース オニオンバルサミユ酢醤油ジュレ
「牛乳豆富」 柚子味噌
「十六穀米スープ」 ドライベジタブル
「夏の天麩羅」 ステックブロッコリー 竹の子 まこも筍 万願寺甘唐 信州林檎 抹茶塩
「チーズの茶碗蒸し」 トマト ねぎ
「牛ヒレと冬瓜のお吸い物」 独活人参 ディル
「大岩魚春菊ジュノバ風」 長芋椎茸ミニキャロット ハチク・カシューナッツ味噌
紫芋ソースパブリカパウダー
「野沢菜茶漬け」
「白桃ソルベ」 さくらんぼ マンゴーヨーグルトソース
平成三十年七月十二日 料理 明子 印
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