1.出かけるまでの紆余曲折
6月の探蕎行は信州へとなっていた。ところで会員が高齢化し、他人様を乗せて車で遠出するような場合、多くの場合、家族が反対する。これまで運転していた方でも、ある年齢になると、本人はその気になっていても、家族の了解が得られないことが多い。かくいう私も探蕎会での遠出での運転は憚られる。年齢が80歳ということもある。
ところで5月22日に事務局の前田さんからの案内で、新しく松川さんの紹介で会員になられた磯貝さんの運転で、6月22、23の両日に信州へ行く予定とか。この募集に応じた会員は男5名、女1名、その後推移があって、24日には男4名、女2名となった。それで宿はこれまで2回利用している別所温泉の「七草の湯」を推薦し、それで訪ねる蕎麦屋に、22日は上田市別所温泉口にある「美田村」を、23日は上田市内にある「おお西」を推薦しておいた。それで事務局からは詳細なスケジュールが参加者各位にメールされ、出発は6月22日の朝7時半に金沢駅西口に集合ということになった。
ところが6月7日のメールで、運転される磯貝さんは内灘町の町議さんなのだが、職務で22、23日を26、27日に変更したいとのこと、それで日程の変更から、参加者は女1名増の計7名となった。車はワンボックスカーということで、8名まで乗れるという。ところで費用は私の試算で概算3万3千円、それで会費は3万5千円とし、いつもの如く帰路に小矢部 SA で清算することにして、参加者には事務局から12日に案内して頂いた。ところで私は13日の朝、ひどい腰痛で寝返りもままならず、それで前田さんに事情を話し、参加できない旨連絡した。でも前田さんではまだ2週間あるから、3日前にもそんな状態だったら再度連絡して下さいと諭された。私は鍼灸に通い、5日目には多少よくなった。ところが19日に前田さんからの連絡で、今度は和泉さんが体調不良で参加できなくなったとのこと、私からも確かめたが参加できないという。すると和泉夫妻不参加で参加者は5名になったことから、前田さんからは他に参加できそうな何人かに連絡されたようだが埒が明かず、それで参加者にも今一度念を入れて可否を問われたそうだが、皆さん行きたいとのこと、この時点で前田さん自身が参加することに。これで最終的には男4名(磯貝、木村、前田、松川)、女2名(池端、松田)で出かけることになった。
それで前田さんの意見も入れて、訪ねる蕎麦屋は初日は上田の「おお西」とし、二日目は安曇野へよって、池田の「翁」へ寄ることにした。ここには過去に一度訪れたことがある。こうして6人での信州への探蕎が実現することになった。
2.「手打百藝 おお西」 上田市中央4−9−8 TEL 0268-24-5381
7時半に金沢駅西に集合し、金沢東 IC から北陸自動車道、上信越自動車道を通り、上田菅平 IC で下り、目指す「おお西」へ。店舗は旧柳町参道と旧北國街道が交わる地点にある。街道沿いの店の脇には延命水が湧き出ていて、店は参道に面していて、旧は商家だったという平屋建ての大きな店、表には一枚板に店名が記されている。この店は有名店なのだが、「ふじおか」と同じく、業界情報誌の取材を頑に受けないことで知られている。ただ上田市には、ほかに支店と系列店がある。ここの主人は大西利光 (かがみ) さんといい、「発芽そば切り」の発案者として知られていて、私は小布施の系列店には2回ばかり訪れたことがある。そばを発芽させるとは、えらく手の込んだ作業だが、発芽させることで栄養価が増し、甘味が増し、独特のぬめりと餅のような食感が出るという。もちろん十割にこだわっている。あまり追随されていないのは、面倒なのかそれとも特許が絡んでいるのかは分からない。でもとにかく一度本家本元で食べてみたかったのが本音だった。
奥の古い木のテーブルに6人が陣取る。そばは「御前二色そば」、つきもののお酒は、この参道に蔵元があるという地のお酒、付きだしは山菜の漬物5種、私は焼酎の蕎麦湯割りも頂戴した。そばは大きな朱塗りのお椀に入ってきた。訊けばそばが乾燥しないようにとのこと、手繰ると細打ちのそばは、しゃきっとしていて、特に発芽そばはもちもち感が強く、この手のそばには余りお目にかかったことがない。量は多め、でも運転される偉太夫である磯貝さんは、ささの代わりに真っ白な更科を追加して召し上がっていた。私は念願のおお西での元祖発芽そば切りを賞味でき、満足だった。
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