2017年3月10日金曜日

これからの探蕎会の運営

 平成29年の探蕎会の総会が2月26日の日曜日に ANA ホリデイ・イン金沢スカイホテル10階の「白山」で開催された。よころで昨年暮れに開かれた世話人会で、前田事務局長からの報告では、年々会員数が少なくなる傾向にあり、何とか対応策を講じないといけないとの発言があった。振り返ってみて、総会の出席者数を見ても、多いときは80名を超えていたのに、昨今は30名前後で推移していたのに、今年はたったの18名と、これまでで最も少ない参加者数となった。
 この現状にどう対応するかが問題なのだが、一案としては、会をより緩い関係の同好会的な雰囲気の会にすればという案が出された。そこで現在ある会則を改めること、行事ごとに何方かにお願いしていた原稿執筆依頼を止めて、単に記録を残すに止めること、従ってこれまで最低年2回は発行していた会誌の発行を年1回とし、配付は総会時に行なうこととし、そうすれば年会費は1千円でよくなること等の案が事務局から出された。
 総会当日、寺田会長は奥様が亡くなられるというご不幸があり出席されなかったが、永坂副会長の挨拶の後、約1時間をかけて、これからの会の在り方について討論した。ただ総会では新しい会則の承認までは漕ぎ着けられなかったものの、大筋では事務局案に添ったものになるであろうと思われる結論に至った。主な改正点の案は次のようである。
 ・永世会長、顧問、副会長、会計監査等の役職をなくする。
 ・総会は年1回とし、総会での審議事項を明記する。
 ・会費は年額1千円とし、会計年度を4月1日から翌年3月31日とする。
 ・総会は4月に行う。
 また会の名称について、名称を変えてはという意見も出されたが、前田事務局長から、この会の設立に当たって、発起人の故波田野前会長が「探蕎会」という名を提唱された旨の発言があり、会名はその主旨を踏襲する意味からも「探蕎会」の名は継承するのが妥当との意見が圧倒的に多く、これはそれで良かったと思う。
 約1時間の議事と討論の後、記念撮影をし、大滝さんの乾杯で宴会となった。そして例年恒例となった大滝さんが描かれた秋刀魚と果物の絵2点の紹介があった。そして今年の特筆すべきは新入会員の加入であった。松川会員の紹介で入会された磯貝さんで、以前はそば打ちも自身でされたことがあるとか、42歳の好青年、内灘町の町会議員をされているとか、新風が吹き込まれたような清々しさを感じた。終わりに近く、斎藤千佳子さんのヴァイオリン伴奏で「ふるさと」や「荒城の月」を合唱、更に永坂副会長が外国の方がよく演奏を所望されるという「さくら」をというリクエストに応じて、アンコール独奏もされた。こうして総会は永坂副会長の挨拶があって閉幕した。

(閑話休題)
 2月下旬、そば処「敬蔵」から、開業15周年を期して、この3月から月替わりで、これまでの細打ち、太打ちのほかに「創作打ち」を供することにしたという案内があった。そしてその案内では、その「創作打ち」の第1弾として、3月は『極あらびき十割そば』を提供するとか。ただ但し書きには「前もって言っておきますが、粉が粗挽き過ぎて麺がつながりません。切れっぽいですが、それに替わる独特の食感・風味が楽しめるはずです。」とあった。そして続いて「勝手ながら『創作打ち』はその主旨から、もり (900円 )、合盛り (細打ちとの合もり 1000円 ) のみの提供となります。」とあった。そしてこれからも『焙煎そば』や『挽き割りそば』、新茶の季節の『敬蔵の茶そば』など…アイデアいっぱいため込んでありますので御期待下さい、お待ちしておりますとあった。
 それで3月7日 (火) のお昼に、久々に「敬蔵」へ寄った。半年ぶりだろうか、随分御無沙汰していた。注文したのは、家内が「創作打ち」の「もり」、私は「合盛り」を所望した。飲み物は焼酎の蕎麦湯割り、つまには定評ある鴨肉と蕗の薹味噌を頼んだ。敬蔵の鴨肉は定評があり、私は蕎麦屋では最も格が上だと思っている。とにかく旨い。ややあってまず家内にそばが、でも見た目にはとても粗挽きとは思えない程のなめらかさ。粗挽きと言えば、あの鳥越左礫の「蕎麦やまぎし」の「極太粗挽き」はこれこそ粗挽きという印象がすこぶる強いが、それに比べると、実に上品でなよなよした感じがして、とても「極粗挽き十割そば」には見えない。山岸のは13メッシュで篩っているが、敬蔵のはもっと細かいのでは、したがって私が頼んだ合い盛りも同じで、細打ちも粗挽きの細打ちではないのではなかろうか。敬蔵のそばは常々十割なのだが、案内の粗挽きには期待していただけに思惑外れだった。やはり「田舎粗挽き」は「蕎麦やまぎし」に限るようだ。


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