2014年10月26日日曜日

信州探蕎:「かたせ」と「常念」(その1)

 探蕎会では、10月期の探蕎は信州で1泊2日の予定だったが、参加人数の不足もあって1日とし、行き先には、まだ会としては訪れたことがない安曇野市にある「そば処 常念」とした。探蕎日は10月22日の水曜日、事務局の前田さんが車の運転を申し出られ、便乗することにする。参加したのは、ほかに池端、石黒、和泉夫妻、木村の5名である。探蕎先はほかにもう1軒、池田町にある「手打ちそば かたせ」を追加した。ここは以前会でも訪れた同じ池田町の「安曇野 翁」に程近い場所にある。面々は白山市番匠にある「和泉」に集合し、午前8時に出発した。

1.手打ちそば かたせ  長野県北安曇郡池田町会染 3439
 当日の天候は生憎の小雨、白山 IC から高速道に入り、糸魚川 IC で下り、国道 148 号線、次いで国道 147 号線へ、途中で東へ折れ、高瀬川を渡って県道 71 号線へ、前田さんのスマホでは、「かたせ」は滝沢交差点を左折せよとの指示、実に便利な代物だ。店は平地にあると思いきや、スマホでは細い山道の先に目的地を表示している。山道を上がって行くと、道の際に小さな看板があり、左へ折れて細い径を辿ると、そこに「かたせ〕はあった。何と既に車が数台駐車していたのは驚きだった。雨がぱらついている中、急な木段を上って店へ。
 着いたのは正午少し前、小さな店の中には沢山の人、平日で雨なのに、全く信じられない光景だ。6人の席がセットしてあり、主人の片瀬登美男さんが予約の6人ですかと言われるので、そうではないと言うと、取りあえずはと座敷にある座机に案内された。見渡すと三和土に4人掛けの机が5つ、座敷には囲炉裏を挟んで4人座れる座机が2つ、勘定すると全部で28席になる。取り合えず注文は次の店もあるので、「手打ちそばせいろ」のみとする。その後予約の6人が余りに遅いので、我々はその予約席に誘導された。出されたお茶を飲みながら、今か今かとそばが来るのを待つが、中々来ない。主人の片瀬さんが言うには、今日は平日でしかも雨なので、余り打たなかったのにこの人出、全くの誤算でしたと言われる。奥では蕎麦を打っているような気配。ここの営業時間は 11:00 〜 14:00 のみ、よくある売り切れ次第終了とかではなく、追い打ちをするようだ。
 待つ間、狭い店内を見回す。目に付いたのはキリンビールからの英文のアワードと、帝国ホテルの名料理長の村上信夫さんと片瀬さんとのツーショットと色紙、色紙には「美味しいそばは研究と愛情と真心から生まれる」とあった。片瀬さんはサービスですと言って、自家製という大根と野沢菜の漬物を、そしてさらに間を置いて、季節の野菜の南瓜とピーマン、それにコスモスの細く裂けた葉とピンク色の花の天ぷらを2皿持っておいでた。漬物も天ぷらも味よく美味しかった。これは待ちの効能だったのではと思う。奥でトントントントンと音がするので見に行くと、若いお兄さん(後で知ったが、片瀬さんの次男さんとのこと)が丁度そばを切っているところだった。これをその後茹でて供するのらしい。正に打ちたて茹でたてである。注文から 50 分後、ようやく「そばせいろ」が届いた。蕎麦粉は奥さんの故郷で、信州屈指の蕎麦の名産地、信州奈川産に地粉とか、そばは黒塗りのせいろの真ん中にうずたかに盛られている。食べ方が指示されていて、先ずはそのままで、次いで塩を付けて、その後つゆに浸して食べるようにとの主人のご託宣。そばは二八の中細、蕎麦らしいまずまずの上の出来だ。でも出汁は薄味過ぎる感じだった。十割は今はなく、新蕎麦になってからとか。終わってから、さらにサービスだとしてデザートが出た。わらび餅だったのだろうか。私たちは金沢から来たというと、新幹線が開通したらぜひ金沢へ行ってみたいと言われた。私たちはここでかれこれ1時間10分滞在して辞した。入り口で主人にお願いして記念写真を撮ってもらった。天気が良いと、西に大きく有明山、その背後には北アルプス表銀座の山々が見えるはずだが、生憎の雨で今日は何も見えない。

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