2014年7月31日木曜日

6度目の満山荘と3度目の「ふじおか」(その3)

第2日 「蕎麦ふじおか」 長野県長野市上ヶ屋 2471-2066  TEL. 026-396-2677
 8時半に出かけようと話していたが、食事を終えて出たのは9時だった。東京の蕎麦好きの夫婦は、今日場所確認のために「ふじおか」へ寄るかも知れないとのこと、ナビがあれば、頂いた地図を頼れば充分行けますとのこと、こちらは入店時間の 11時30分 に入れるかどうかと心配しているのに、随分と旅慣れておいでだ。外は雨が降っている。
 今日のルートは、先ず山を下りて小布施町に入り、千曲川に架かる小布施橋を渡って国道 18号線を飯綱町まで行き、これまで二度通ったことのある、信濃町 IC から南下している国道 18号線から飯綱東高原へ入る「飯綱東高原入口」交差点を目指した。この前の時も、近くにある長野 CC を標的にしたことから、今回もそれに倣った。今回の道順は、初めから長野 CC に照準を当てると長野市内を通るルートになりそうで、できるだけこれまで通ったことのある飯綱町を経由するルートを採った。
 初めのターゲットは飯綱町役場、ここから国道 18号線を北上し、飯綱東高原入口交差点に出る。ここで長野 CC に行き先を指定し、後はナビに従って運行する。地図にある消防署の近くでトイレ休憩する。もうそんなに遠くはない。程なく長野 CC の正門に着く。この道路は戸隠バードライン (県道 506 号線 )で、そのまま西進すると戸隠高原に行く。この正門前には、飯縄山登山道入口のバス停があり、屋根付きの停留所がある。ここから真北に延びている車道 (登山道) があり、この入口と登山道の2カ所に案内板があるので参考にして下さいとは「ふじおか」の奥さんの言だった。案内では、入口から右へ折れる5本目の枝道 (南東に折れる) を辿ると、左からの道路が交わる左手に目指す「ふじおか」がある。9時に満山荘を出て1時間半、11時30分に着けた。開店1時間前、雨は上がっていたので、周辺をブラつく。オカトラノオの群落が白い花を付けている。もう開花しようというウバユリも沢山見られる。開店間際になっても、他に客はいない。
 定時になって私たちは中へ入る。セットしてあるのは2組のみ、後で聞いたのだが、もう1組は場所が分からず、彷徨ったようだった。30分遅れだった。これまでの2回、一度もバックグラウンドミュージックがかけられていたことはないが、この日はヴィヴァルディーの曲がかかっていた。実に素晴らしい雰囲気だ。
 奥さんが「蕎麦茶」を持っておいでて、注文を聞かれる。「せいろそば」(季節の野菜料理、野菜の漬物、蕎麦粥 付き) 2、「そばがき」1、「そばぜんざい」1、ビール (サントリーモルツ) 1、を所望する。程なくして、角盆に、茄子を2つあしらった青い絵皿、それに塗った利休箸と彫り込んだ箸台が2組出された。今朝、朝食が終わったのが8時半、しかも沢山食べたので、まだ胃の中に朝食が残っているような感じだ。この前に来たことを覚えておいでて、暫し談笑する。会誌「探蕎」の御礼も言っておいでた。こんなにゆったりした雰囲気のこともあるのだ。以下に出された順に記そう。
1.「野菜の漬物」:藍色の釉薬を施した片口に、野沢菜、茄子の胡麻和え、甘漬けの沢庵、湯がいた妻白、人参・細葱・山芋の白和えの五種盛り。2人前。今日は蕎麦前の「鄙願」を貰わず、お茶を啜りながらの漬物。今度は体調を整えて来なければ。
2.「蕎麦粥」:中深の黒い釉薬を施した鉢に、蕎麦殻を外した抜きを粥にしたものが入れてあり、上に、ジュンサイ、豌豆、金時草 (金沢から取り寄せられたとのこと) が載っている。2人前。杓子で取り分けて食べる。お腹にやさしい粥、上等な一品だ。
3.「そばがき」:刷毛模様の中皿に、柔らかめに掻き上げた、乳白色の滑らかな表面をした蕎麦掻きが載っていて、頂に生山葵が載り、つけ醤油の小鉢が付いている。これは私が注文の一品なのだが、家内も一箸食べ、何とも満足げ。この前彼女が食べたのは下呂の「仲佐」での一品、すごく男性的だったのに比べ、、こちらは女性的、柔肌のような蕎麦肌、彼女は感激していた。
4.「せいろそば」:京都在住の人間国宝の中川清司さん手製のせいろ、きっちり組み込まれた枠には、透明な漆が掛けられている。正に芸術品である。そしてその器に負けない出来の極細の十割せいろそばが、細い竹を編んだ簾に丁寧に盛られている。藍色の蕎麦猪口は地元信濃町の作家の作品。最高の「そば」の競演だ。見た目の素晴らしさに加えて、手繰った時のさらっとした感触は、これが蕎麦なのかと思う。加えて十割を感じさせない素晴らしい喉越し、やはり日本一の「そば」だ。
5.「夏の野菜」:線刻を施した薄い青色の大きな角皿に、9種の野菜が彩りよく並べられている。片瓜、胡瓜、人参、茄子、ミニトマト、大根、白菜、黒豆、白瓜。2人前。夏野菜ですと言われて出されたが、その配色の素晴らしさに、食べるのが惜しかった。
6.「そばぜんざい」:塗ったお椀に、あの滑らかなそばがき、その上に爽やかな甘さの大納言が載っている。そして抹茶。かなりお腹がふくれていると言いながら、家内は瞬く間に平らげてしまった。私も「ぜんざい」なるものを初めて口にしたが、これはいける。

 こうして、念願の家内との「蕎麦ふじおか」への第1回の遠征は終わった。

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