2014年6月12日木曜日

平成26年の子うし会

 子うし会というのは、昭和24年3月に野々市小学校を卒業した同窓生と昭和27年3月に野々市中学校を卒業した同窓生の集まりである。合わせた数は、男28名、女25名である。そしていつ頃からか、毎年少なくとも1泊でこの会を開いている。近くの温泉などでの会の場合、大概20名前後が参加する。これまでの会の経過をみると、近くでするのと遠くへ出かけてするのとを交互に繰り返してきた。昨年は喜寿の祝いということもあって、地元粟津温泉「法師」での開催で、今年は遠出の予定だったものの、遠出するなら日の長い時期にという地元女性軍の希望もあって、今年は再び地元になった。私は世話人代表になってはいるものの、実務の方は、男性は Y 世話人が、女性は A 世話人が、皆の意見を集約して行き先などを決めてくれる。その後の皆さんへの案内や取りまとめは私がしている。
 案内を出す同窓生の数は、男性は28名中、物故者8名、消息不明者3名、障害や長期入院等で会に参加できない人6名と私を除く残り10名。また女性は25名中、物故者4名、過去10年間に一度も参加したことがない人7名を除いた残り14名である。この中には乗り物酔いや頻繁な車の乗り降りに支障がある人が女性に4人いて、この方達は長距離の移動や長い旅行は困難である。するとどうやら元気で旅行可能というのは20人ばかりということになる。その中で現在傍から見ても五体満足でピンピンしているのは、男で5人、女で7人ほどで、私自身は十病息災の身である。
 この子うし会の旅行には、もう15年位前から北陸交通の N さんが担当してくれていて、今回の企画にも彼が相談に乗ってくれた。それでまとまった今年の案が私に届けられたのが3月末、富山県の雨晴温泉への1泊バス旅行にしたという。地元野々市からの出発は5月28日の午後1時半、帰着は翌日の午後0時半、立寄先は、初日は高岡市にある重要文化財の雲龍山勝興寺 (浄土真宗本願寺派) 、そして翌日は氷見市にある氷見漁港場外市場の「ひみ番屋街」の2カ所のみ、規模としては小さく、東京在住の2人と関西にいる3人の同窓生には、たった1日の短いバス旅行にわざわざ出てくるのに不服が出ないかどうかが心配だった。でもとにかく過去にこの会に参加したことがある24名に通知を出した。出欠の返事の期限は出発の2週間前の5月14日にした。
 ところで期限までに返事があったのは22名、うち参加者は16名 ( 男6 女10) 、不参加者は体調不良でが5名 ( 男3 女2 )、多忙でが1名 ( 女 ) だった。返事のなかった男女各1名には後日電話で問い合わせたが、出発の2、3日前にならないと確答できないとのこと、これには本当に啞然となった。今回当初は20名の参加を見込んではいたものの、最終的な参加者は17名ということになった。
 当日は天気も良く、野々市で乗車する12名は出発時間前に揃った。残りは金沢駅西口での乗車だが、以前とは乗車場所が異なっていたこともあって、少々時間を費やした。車は北陸交通がチャーターしたマイクロバス、一路北陸道と能越道を経由して高岡市伏木にある勝興寺へ向かう。この寺の開基は本願寺八世の蓮如上人で、当時は土山御坊といったが、佐渡にあって廃絶していた順徳天皇勅願所の「殊勝誓願興行寺」を再興相続して「勝興寺」としたとある。敷地3 ha には重文12棟があり、平成10
年から20年計画で修復工事が進められている。現在は本堂のみ修復が完工していて、私たちは本堂で説明を聞いた。また境内には天平の昔に越中国庁があったことを示す碑があり、万葉の歌人の大伴家持が5年間国守としてこの地に赴任していたとか。この辺り一帯、当時は越の国 ( 越前、越中、越後 )と称されていて、まだ加賀や能登という名はなかったと聴いたことがある。
 寺を出て国道を北上して雨晴海岸を経て高台にある今宵の宿の「磯はなび」に入る。客室数50室もの温泉ホテル、空気が澄んでいれば、右手に立山連峰、左手には能登半島が見えるはずなのだが、生憎と黄砂で霞んでいて見えない。ゆっくりと露天風呂に浸りながら駄弁る。眺望がないのが残念だ。湯上がりに生ビール、大変旨い。暫時休んで宴会、ここ数年は宴会はテーブルと椅子の組み合わせ、今宵は何故か男性と女性が対面する構図、でも話に花が咲く。品は12品、食べ尽くせない。終わって幹事部屋に皆が集まり、飲みながらの雑談、それにしても以前と比べると随分酒量が落ちた。来年はこの時期に遠出して長崎の五島列島に行こうかと。就寝したのは翌日だった。
 翌朝の朝食はバイキング、平日なのにかなりの客がいたのは驚きだった。宿を定刻10時に出る。氷見市中心部を抜け、氷見漁港の北側に移設された「ひみ番屋街」へ。ここには30店舗もあり、海山の幸、郷土の土産、和洋食堂、回転寿司、そして隣には氷見温泉の総湯までもがある一大拠点だ。ここで小1時間過ごし、能越道・北陸道を経て、この旅を終えた。来年は五島へ行こう。

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