(承前)
3.「蕎麦ふじおか」を信州飯綱高原へ移転し開店 平成21年 (2009)
住所:〒 380-0888 長野県長野市上ヶ屋 2471-2066 TEL : 026-239-2677
平成21年(2009) 7月、信州黒姫高原で20年間営んできた蕎麦屋「ふじおか」を、同じ信州の飯綱高原へ移転した。南に信越五山の飯縄山を望むゆるやかな斜面に、洒落たロッジ風の建物を建てた。環境はというと、黒姫では高原の林の中、どちらかというと静かで暗い印象を受けたものだが、飯綱の方は同じ高原の林の中だが、明るく開放的な雰囲気、建物も窓を大きく採ってあり、したがって店内は明るく光に満ち溢れている。高い天井、窓からは四季折々の高原の景色を居ながらにして堪能することができる。何とも贅沢な環境である。そして部屋にはグランドピアノが鎮座し、CD が聴ける装置も置かれている。営業時に音楽が奏でられることはないが、休日には音楽好きな二人のこと、この空間で寛ぎ楽しむのだろうか。また5月に訪れた時は、外にはまだ雪が残っていて、室内では薪ストーブが赤々と燃えていた。このような素晴らしい環境にあるのだが、ただ唯一の難点は、すんなりこの店へ辿り着けないことである。上信越国立公園内ということもあって、やたら広告看板を出せないこともこれに拍車をかけている。
黒姫から何故飯綱へ移転したのか、その真意はよく知らないが、一説には温暖化の影響もあって、黒姫ではいわゆる霧下蕎麦を期待出来なくなったのではとも聞いている。ところで飯綱へ来て、黒姫で使っていた白木のせいろが傷んできたこともあって作り直すことに。ところで、20年前に作ってくれた中川清司さんはその時人間国宝になられていた。しかしお願いして再び作って戴いた。そして出来上がったせいろは、以前のものに比して幾分小振りで、うすく透明な漆がかけられていたという。それを手にして彼は、このせいろに負けない立派なそばを打たねばと思ったという。それにはこれまでよりももっと細く打つようにしようと思ったという。そのためには、玄そばの風味をさらによく引き出すために、蕎麦を挽く際に粉の粒子を幾分粗くするようにしたという。しかし言うは易く行なうは難しで、目指すべき理想のそばは一朝一夕で簡単にかなうものではない。こうして彼は日々鋭い解析力と高い技術でもって格闘し、より高い進化した「ふじおか」のそばを目指しているという。宮下氏の言によれば、「ふじおか」の主の目下のテーマは「水をはじく、より強靭な麺体を持つそばを打つこと」であるとか、それにはより厳密な水回しが肝要とのことだ。彼は常に前へ進み、常に「これから」という先を見続けている62歳である。それにしても私がこの5月に飯綱でお会いした藤岡さんは、まだお若い好々爺という感じ、気品のある奥さんとは実に似合いの夫婦である。
「蕎麦ふじおか」の案内
● 名 刺:比較的詳しい?案内地図と案内内容が刷られている。
● 営業日:金・土・日・月曜日
● 営業時間:2名以上で予約の上、11時30分に入店して下さい。
● 入店制限:10歳以下の方の入店は不可。したがって親子連れは入れない。
● お品書き:せいろそば(お代わり可)、そばがき、そばぜんざい、お酒(鄙願)、ビール。
● 席 数:18(原則として相席なし) 4人掛け3脚、6人掛け1脚。
4.品の価格の変遷(1991.12 〜 2014.4) 単位:円
● せいろそば:1000 ー 1200 ー 1300 ー 1400 ー 1500 ー 3000
● おかわり:800 ー 800
● そばがき:700 ー 800
● そばぜんざい:800 ー 1000
● お酒 (越後大吟醸酒 [鄙願]):1000 ー 1200 ー 1500
● ビール:500 ー 600
最初の数字は黒姫 (1991.12) での価格、最後の数字は現在 (2014.4) の価格。
2014年5月16日金曜日
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