2018年11月15日木曜日

新シーズン第3回目の OEK 定期公演は圧巻だった(1)

 2018 年9月に始まった OEK (オーケストラ・アンサンブル金沢 ) の新シーズンの演奏会も、11 月に入ってシーズン第3回目の第 408 回定期公演フィルハーモニー  シリーズが 11 月1日に石川県立音楽堂コンサートホールで開かれた。OEK が本拠地の金沢で定期公演するのは、年間でフィルハーモニー・シリーズが8回、マイスター・シリーズが5回の計13回で、ほかにファンタスティック・オーケストラコンサート (以前は定期公演にカウントされていたが、現在はカウントされていない)が3回ある。さて、今回の OEK 設立30年のこのシーズン第3回目の定期公演のキャッチフレーズは、「 OEK と日本が誇る世界の マサアキ・スズキと OEK の至福の化学反応」とある。しかし私は不覚にもこの著名な指揮者の名は知らず、ましてや聴いたこともない。でもこの驚くべきキャッチフレーズを見て、これまで接したことのない新しい感覚での演奏や演出が見られるのではないかと心待ちにし、期待もした。
 第 408 回定期公演の概略は、指揮:鈴木雅明、ソプラノ:リディア・トイシャー、テノール:櫻田 亮、合唱:RIAS 室内合唱団、コンサートマスター:アビゲイル・ヤング ( OEK 第1コンサートマスター)という触れ込み。演奏曲目は、クラウス/教会のためのシンフォニア、モーツアルト/交響曲第40番ト短調、メンデルスゾーン/キリスト、同/詩編42番「鹿が谷の水を慕いあえぐように」の4曲。これらの曲目では、モーツアルトの交響曲第40番以外は聴いたことがあるかも知れないが記憶にはなく、しかも声楽曲とあっては尚更だ。また指揮者の鈴木雅明という方も私には未知の方であり、どんな演奏が聴けるのか、実は聴くまでは楽しみと不安が入り交じった感情だった。
 指揮者の鈴木さんのプロフィールはというと、現在東京藝術大学の名誉教授であり、イェール大学やシンガポール大学でも客員教授をされているという。そしてバッハ・コレギウム・ジャパンの創設者であり、バッハ演奏の第一人者としても名声を博されているとのこと、また近年はバロック・アンサンブルとの共演も多いという。だからかその功績もあって、ドイツ連邦共和国からは功労勲章を授与されているし、ドイツ・ライプツイッヒ市より「バッハ・メダル」、ロンドン王立音楽院からもバッハ賞を受賞されているという。また日本でも紫綬褒章を受賞されている。そして母校の東京藝術大学に古楽科を新設されたとも。でも私にとっては初めて接する方だった。
 プログラム
1.クラウス:教会のためのシンフォニア ニ長調 VB 146
 クラウスはドイツで生まれ、スウェーデンで活躍した宮廷作曲家とある。生年はモーツアルトと同じ1756 年、没年はモーツアルトの1年後の 1792 年、モーツアルトと同じく早世だったという。作風も当時の作風もあってか、聴くと聴いたことがあるような旋律があるのに気付く。「スウェーデンのモーツアルト〕と言われる所以に納得できる。生前にイタリア、フランス、オーストリアを巡る旅に出た折に、ウイーンでモーツアルトの知遇を得たという。この曲は 1789 年の作曲で、ストックホルムの聖ニコライ教会で行われたスウェーデン議会の開会式で初演されたという。曲は2部構成で、モーツアルトの交響曲を思わせるような穏やかで心が和む曲だった。鈴木さんの指揮はというと、穏やかながら、両手上半身をフルに使われての指揮、静かな曲だが、それにしても驚きの指揮だった。

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