(承前) 全ブロックでの合格者が示された7旧帝大と3国立大では、筑波大、北海道大、東北大の3校は広域性が極めて高かった。次いで東京大、京都大、大阪大、一橋大も広域性が高かった。一方で九州大と名古屋大は広域性はあるものの、自ブロックからの合格者が多かった。その他の国立大で広域性が高かったのは、横浜国立大、首都大東京、信州大、東京外国語大、神戸大などであった。 なお、記載のなかった国立大が14校、公立大が61校あった。
C.私立大学の広域性:
週刊朝日に掲載された私立大学で、2ブロック以上に掲載された大学は49校、1ブロックのみが、北海道に2校、東北に2校、北関東に1校、北陸甲信越に1校、中京東海に6校、近畿に4校、九州に5校、計24校あった。49校のうち、全ブロック掲載校は在京の10校(前出)で、次いで7ブロック掲載がやはり在京の芝浦工業大、駒沢大、専修大、帝京大、東海大の5校、6ブロックが在京の東京都市大、東京電機大、日本大と在関西の関西大、関西学院大、同志社大、立命館大、近畿大の8校である。
広域性が高かった私立大学は、指数9台が2校(立命館大,東海大)、7台が2校(東京理科大,中央大)、6台が2校(芝浦工業大,帝京大)、5台が3校(明治大,法政大,同志社大)あった。広域性が中程度にみられる指数3.0~4.9の私立大学は、高い順に、4.9が大東文化大,東京電機大、4.8が早稲田大、4.7が工学院大,慶応義塾大,青山学院大、4.6が近畿大、4.4が津田塾大、4.3が東洋大,専修大、3.7が関西学院大、3.6が立教大、3.4が日本大、3.2が京都産業大、3.1が東京都市大、3.0が神戸学院大の16校であった。広域性が低かったのは、2.8の立正大、2.6の駒沢大,東京女子大,関西大の3校、極めて低かったのは2.3の成城大,上智大、2.2の明治学院大、2.1の龍谷大、1.8の広島経済大,成蹊大、1.7の桃山学院大,大阪経済大、1.5の武蔵大、1.4の北里大,学習院大、1.3の日本女子大、1.2の甲南大,摂南大の14校である。また広域性がなかったのは、0.9の大阪工業大、0.8の広島国際大,広島工業大,中京大、0.2の広島修道大、0.1の南山大の6校である。
D.大学のランキング:
「大学ランキング」には、大学に対して行なったアンケートを基に、教育、校地・校舎面積、図書館について、学生/教員、校舎/学生、貸出冊数/学生の割合を基にランク付けを試みている。そして上位30%の大学をA、次の40%をB、それ以下をCとして評価・表記している。先に記した2ブロック以上に記載があった国公立大学37校について見ると、教育Aは25校、校舎Aは27校、貸出冊数Aは17校であった。そしてスリーAだったのは、広域性の高い順に、筑波大、北海道大、東北大、東京大、京都大、大阪大、神戸大、九州大、金沢大、名古屋大、広島大、大阪府立大、東京農工大、大阪市立大の14校である。旧帝大は全てこの範疇に入っている。ほかは国立大6校と公立大1校である。一方、私立大学49校について見ると、教育Aは1校のみ、校舎Aは2校、貸出冊数Aは17校あるが、スリーAはなかった。これは学生数が多いことに起因していると思われる。
また「高校からの評価」というのがあり、全国727校の進路指導教諭から10件以上名前が上がった大学で、「生徒に勧めたい」「進学して伸びた」「広報活動が熱心」の項目で5段階評価(5:上位7%、4:次の24%、3:次の38%、2:次の24%、1:残りの7%)し、総合評価はランキング評価に準じた。その結果、国公立大学でランクAになったのは、広域性の高い順に、東京大,京都大,神戸大,新潟大,九州大,名古屋大,千葉大,広島大の8大学であった。でも広域性が高い筑波大,北海道大,東北大が入っていないのは奇異に感じられた。ちなみに金沢大はBランクであった。一方、私立大学では、広域性の高い順に、立命館大,東京理科大,中央大,明治大,法政大,同志社大,早稲田大,慶応義塾大,関西学院大,立教大,関西大の11大学であった。ここでは在東京、在関西の名門校が該当しているように感じられた。
以上、週刊朝日が調査した全国3,232高校の主要大学合格者数から、大学のもつ広域性について、独自に解析を試み考察した。また、2011年度の大学ランキングから、大学のランクと高校からの評価を参考までに引用し評価した。
2012年5月7日月曜日
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